ある日、近所の公園で魔法少女が死んでいた

@philo_0108

-序幕-

 「……成程」


 私は旧友の死体を観察し、ある推論を打ち立てた。この推論が正しいとするならば、世界は破滅するのであろう。


 「……でも、だとしたら、君が最後だと思っていた」


 その死体の傷は、背中でも脇でもなく、正面を切って、正々堂々と戦って負けていた。確かな戦いの跡があり、確かな苦戦の跡があった。


 「君は間違いなく、負けない人だった。今までの苦難も何もかも乗り越えてきたし、今が全盛期だった。だからこそ……だからこそだ。おそらく、世界は滅びる」


 須恵町の駅の近所の公園で死んでいた魔法少女は、名をフランチェスカ。


 ―――世界最強の、魔法少女だ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る