黒檀のように黒く
黒檀の柄のナイフをあなたの皮膚と肉の間に入れて、ゆっくりと動かしていく。
このナイフ、覚えているでしょう。あなたが彼に使ったナイフだよ。
「まるで、白雪姫みたいなやつだった。男の癖に」
あなたは彼のことをそう言ったよね。
確かに彼は雪のように白く滑らかな肌と、黒檀のように黒く艶やかな長い髪と、血のように赤く濡れた唇をしていた。
あの日。一人では危険だとあれほどぼくが止めたのに、彼はあなたの元に飛び込んで行った。
あなたは白いロープで彼の自由を奪い、黒檀の柄の皮剥ぎナイフで赤い林檎のように彼の肌を剥いでいった。
今、彼と同じ目にあって、楽しいかい。
彼も今のあなたみたいに苦しんだかい。
そうやって泣きながら、許しを請うたかい。
彼はね。ぼくの大切な相棒だったんだよ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます