書きなぐる。

深瀧歩

第1話 つかみと外連味?

 深瀧みたきあゆむと申します。


 つかみと外連味けれんみって知っていますか?

 説明をしてみたいと思います。


 でも、その前に、自己紹介させて下さい。


 昨日、深瀧にとって2作目にあたるカクヨム初投稿作品「存在感ゼロのバーサーカー」が完結しました。現代ファンタジーです。


 初作品はノクターンノベルズに投稿しました。ファンタジーっぽいエロ小説です。45万文字ほどで完結。


 これがすんごい冗長で、自分で読み返せないレベル。非公開にしました。


 もう非公開作戦は二度と使わない。

 どうにかして読者様にもっと面白いと思って欲しい。

 楽しいファンタジーが書きたい。

 深瀧は、こんな感じのヤツです。


 課題がてんこもりなので、創作論を書いてみることにしました。

 勉強がいちばん身につくときって、誰かに教えたときだと思います。


 自分の言葉でまとめ、誰かに見てもらう。これがいちばん身につくと思います。


 あと、もうひとつの目的は、なんでもいいから毎日書き、毎日投稿すること。これが習慣化できたら最高です。



 ひとまず自分の大きな課題をザックリ箇条書きにしてみます。


 ・表現 (外連味けれんみ、引き、比喩など)

 ・モチベ (筆が進まない現象とか)

 ・キャラ (立て、ブレ、書きやすさ)

 ・具体性 (深瀧、考えが浅いんです)

 ・ストーリー (設定、シーン、構成)


 細かな課題はたくさんあれど、パッと思いついたのはこの5つ。


 深瀧は、とにかくプロットが書けない。

 これがどう考えても最大の問題。もしできれば、いろいろ解決すると思っております。


 プロットや構成については最後にします。

 とりあえず、表現について。


 もっとわかりやすく、読みやすくした方がいい。比喩を増やしたほうがいい。こういうのは、訓練するしかないかなと。わかっていてもできませんから。


 なので、つかみと外連味けれんみの説明をわかりやすくを目指して書いてみます。



 つかみとは、先に読者様の気を引きつける演出のことです。前フリや煽りなど、呼び方は人それぞれかもしれません。

 外連味とは、おおげさな演出のことです。


 ウェブ小説にも必要な要素です。うまく使えれば、面白くなります。


 これらが逆にまったくないと、頭に入りにくく、超地味。


 つかみ、前フリですね、これがないと読者様は「突然なにが始まった?」と理解不能状態におちいったり、期待感が持てないうちに見せ場が始まって楽しめなかったりします。


 外連味、おおげさな演出ですね、これがないと「……あ、終わったの?」としっくり来なかったり、あまりにも地味でモノクロ紙芝居でも見せられている気分になったりします。


「ルパン三世」のキャラ。

 ご存知ですか?


 みんな濃いキャラなんです。たぶん理由のひとつは、外連味があるから。おおげさだから。


 たとえば。

 一瞬でパンイチになり、女性のいるベッドに飛び込むシーン。

 現実で考えたらどうでしょう。飛び込んだら怪我するだろ。と、言いたくなりません?

 おおげさですよね。


 警部が手錠を振り回して投げるシーン。

 投げんな。ツッコミどころ多すぎです。


 でも、こういうおおげささがあるから面白い。ないとわかりにくく地味すぎて面白くない。


 でも、いまのウェブ小説で、そこまでおおげさなキャラ、外連味のあるキャラを書くと、きっと受け入れられません。「時代錯誤」とか「感情移入できない」などと思われそうです。


 だから、見せ場でさり気なくやります。さり気なく外連味を出します。


 大切なのは、まず読者様に期待感をもってもらうこと。

 それから、はっきりとおおげさに期待通りの結果を提示すること。

 これが、超重要。


 そうやって期待通りだったと読者様に思ってもらえたら、それが「面白い」だと思います。

 そう思ってもらうために、つかみと外連味が、必要だと思います。


 たとえば。



 刀の鯉口を親指ひとつで切る。

 のぞいた刃が、ギラリと光を反射した。

「でやあああああ!」

 飛びかかり、すれ違いざまに刀を振るう。

 着地。敵に背を向けたまま、ゆっくりと刀を鞘に納める。



 こんな感じでしょうか?

 誰のシーンっぽく書いたかわかるといいのですが。

 このあと有名なセリフがあります。刀の名称とかセリフまで書くと、著作財産権の引用がどうこういう話になりそうなので書きません。


 おそらく、鯉口を切る動作を見た人は、期待するはずです。「これから斬るぞ斬るぞ、ワクワク」みたいに。

 これが必須。


 そして、背を向けたまま納刀することで、はっきりと、おおげさに斬ったという結果を提示しています。

 ダメ押しでセリフでもおおげさに提示しています。


 このキャラは斬ったと確信しているんです。それが見ている人にも伝わります。


 もしこのキャラが「斬れたかな?」と、敵を確認し、納刀せずにいると、見ている人も不安になってしまいます。

「期待を裏切られるのではないか?」と、一瞬でも思ってしまうかもしれません。


 期待を裏切るのは、いちばんやってはダメなことだと思います。

 期待、裏切られたいですか?


 だから、おおげさに、はっきりと期待通りの結果を見せることが大切です。外連味のある結果の提示が大切です。


 でないと見ている人が「期待を裏切られるかも」と思ってしまい、面白みが減ると思います。そこまで思わなくても、モヤッとします。


 ためしに、自作の佐々木という刀を使うキャラで真似をしてみます。期待させて外連味を出してみます。

 もしも佐々木が主人公だったら。



 右手を刀の柄にかけ、腰を落とす。

 迫りくる大きな熊を前に、こゆるぎもしない。

「抜刀一閃」

 振り抜くと、血糊もつかぬのに血振りをし、ゆっくりと納刀。

「意外とザコだったっす」



 こんな感じでしょうか?

 筆者は、熊どうなったか書けよ。と、思っております。でも、これたぶん熊が倒されたことは伝わっていると思います。


 熊がどうなったか、書いたほうがわかりやすいかもしれません。でも冗長かもしれません。

 難しいところですが、斬る瞬間よりも、斬る前と後が大切だと思うんです。


 では自作の主人公、大月透というキャラだとどうなるか。


 このキャラは、戦闘前、戦闘中は喋りません。戦闘後もおおげさなことはまず言いません。言ったらキャラ崩壊なんです。


 その上、最初からハルバードを抜き身で持っています。敵、特にレイプ魔なんて見た日には、口より思考より先に手が出るようなキャラです。


 つかみと外連味を意識しないと、無言で斬るだけで終わります。見せ場なのにすこぶる地味になります。


 なんでこんな難しいキャラ書こうと思った?

 自問自答しまくりながら書いておりました。


 たぶん応用編。

 自作の13話5層ボスから抜粋します。



 ハルバードを長く横に構え、跳び上がる。

「おお! 月やん、いっけー!」

 横薙ぎに、思い切り振るう。首へ向けて。

 振り抜いて着地。遠心力で一回転した。

 飛んだ首が落ちる前に消える。

 頭ホームラン。スッキリ。

「大月さんナイストドメ! 1匹瞬殺も助かりました!」

「ひやっほー! ハルバードカッケー! オレも黒い太刀ほしいっす!」



 こんな感じでした。

 本人がしゃべらないなら、仲間がしゃべればいいじゃない方式。

 ちゃんと構えて跳ぶことでも期待を煽れている……はず。


 書くときにしっかり考えていたわけではありません。できませんでした。

 こ、こうしたら面白くなるのでは?

 とか思ってこれを書きました。

 いま読むと……テンポ悪。


 余計なことを書いているのかも。

 頭ホームラン書く必要ある?

 それより「一回転した」をもうちょっと、わかりやすく、強調したほうが外連味があるのでは……。


 わかりません。けど、大月透は結構戦闘を楽しんでいます。それは伝わったかなとも思います。


 で、ですね、話がそれましたが、このつかみと外連味?

 バリエーションが必要です。

 同じことを繰り返すと飽きられます。

「ルパン三世」の……さ、侍?

 も、バリエーションがあります。



 横一文字に構えた鞘から、すらりと刀を抜き放つ。

「でやあああ! たあああ!」

 眼前でゆっくりと納刀してみせる。

 そして居並ぶ敵どもを睥睨。



 こんな感じでしょうか?

 やっぱりこのあとセリフがあります。


 見せ場なら必ず、つかみと外連味があるはず。そして表現だけでなく、キャラの行動そのものにもバリエーションがあるはずです。


 これを積み重ねて行くことで、すこし面白くなるはず!


 キャラ崩壊しないようにバリエーションを増やしていくのは、とても大変です。

 筆者は、20万文字くらいで限界を感じます。

 悔しい。


 200万文字を越えて綺麗に完結している作品ありますよね。あれは、特殊技能を身に着けた作者様です。

 あと、長くするためには、最初から長く書くための設定が必要です。


 いきなり挑戦すると心が折れるので、10万文字、20万文字から、レッツトライ。


 と、いうことで、ウェブ小説に、というより物語に必要だと思っている要素、その一、つかみと外連味でした。


 ……わ、わかりにくいですよね。

 要約が苦手です。練習中です。


 戦闘シーンの話のようになりましたが、べつに戦闘に限らず、見せ場ではつかみと外連味があった方がいい。という話です。

 物語全体にもきっと必要です。


 おそらく、おおげさにしすぎても良くないため、バランスを見極める練習をするといいかもしれません。


 こういうの、割とYouTubeとか、Xで勉強しています。もっとわかりやすいものが見つかるはずです。「外連味 小説」とかで探してみて下さい。


 そして自分の言葉で表現し、それを誰かに見てもらって下さい。

 読んだだけ、見ただけで身につく人は、まずいません。


 百聞は一見に如かず。

 百見は一考に如かず。

 百考は一行に如かず。

 意味は、レッツトライ。


 次は、主に「引き」について、書きなぐってみようかと。

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