幼馴染のアイドルとの秘密の恋は危機一髪
華川とうふ
紙一重の距離
今日は、幼馴染もとい彼女になったばかりの朱音と初めてのデートだ。
はじめてのデートというのは、普通は緊張する。
幼馴染であって、いままで何度も一緒に出かけてきたけれど初デートであることには変わらない。
そして、俺たちにはもう一つ問題がある。
俺たちがデートしているのを誰かにばれてはいけない。
俺たちが付き合っていることは秘密なのだ。
朱音はアイドルから若手清純派女優として活躍している。
そんな朱音にとって恋愛がらみのスキャンダルは御法度なのだ。
えっ、じゃあどうやってデートするかって?
それは幼馴染の俺の特権だ。
さっきも言ったようにいままで何度も朱音と一緒に遊びに行っている。
そう、二人で一緒にいるのは世間も公認なのだ。
ただし、仲の良い幼馴染として。
朱音にとってなんとも思っていないただの幼馴染君として俺は世間に認識されている。
これは朱音が赤ちゃんモデルとして活躍していたとき、俺も実はすこしだけ活動して一緒に写った広告などもある。
おむつのモデルだから、お互い裸だが……。
何度も話題にされているため、朱音もネタにして仲良しの幼馴染としてよくトークとかでも俺の話題はでてくる。
だけれど、あくまでファンからも仲の良すぎる幼馴染という認識だ。
でも、今日は違う。
いつもと同じく一緒にあるいても、ふとした瞬間に手を触れあっても、体温が上がり胸が苦しくなる。
いつもより朱音が可愛く見える。
普段もアイドルとして可愛いのにそれ以上に可愛いとか殺人的だ。
そう、この気持ちが外にばれてはいけない。
だれかにあっても、赤くなったり、照れてはいけない。
なんだか、気にしすぎのせいか、いつもより朱音の顔が近くにあるような気がする。
だれかに見られればそれは、俺と朱音の恋人関係の存続に危機を及ぼすから。
だけれど、デートを終えて、朱音の家で仲の良い幼馴染として夕飯をごちそうになった夜。
朱音の唇が俺に触れそうになったとき、俺は窓の外に光るものをみた。
慌ててカーテンをしめるまえに、わざとらしく「唇にケチャップついてるよ」なんて大きめの声で言った。
危機一髪、俺は朱音との秘密を守った。
そして、朱音とのキスはとても甘いという新しい秘密ができた。
幼馴染のアイドルとの秘密の恋は危機一髪 華川とうふ @hayakawa5
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