この運命を引き寄せる天使より男を先にゲットしようなんて
陽夏&冬華のテーブルから離れたテーブルでドリアを食べている身長160cmの金髪の長髪のドレスの女がいた。スケルトン以外の客がいたのだ。彼女はつい先ほどトイレから出てきた。陽夏は話に夢中になっているので、特に隠れる必要がないくらいだ。
彼女も陽夏と同じムーンショッターだった。
だた彼女のスキルは戦闘用ではなく恋愛の運命を操作する物だった。
「パオラ……! いや陽夏だったか。あいつめ! あんな風に近づきになるなんて
アンジェラ・ド・グード。この運命を引き寄せる天使(アンジェラ)より男を先にゲットしようなんて許せませんわ~」
ドリアをバクバク食べながらそんなことを恨めしく言う彼女。
「ていうか、この運命を操作する能力を持ったわたしが能力持ちじゃない奴に後れを取るなんて……くっ、おいでなさい、めーちゃん!」
「なーぁにぃ~」
ポフンとめーちゃんと呼ばれた羊のマスコットが現れる。
「何ィじゃありませんわ、どうして剣Sしかない、今は何のスキルもない陽夏に遅れを取っているのです! あなたちゃんとやることやっているのですの?
もしかしてあいつらにスキル没収されかかってる?」
「そんなことなぁいよ~。
僕の能力は主が独り身の場合&望んでいる場合の主が望む理想像に近い男との縁を結ぶ。主が独り身じゃない場合適当にそこかしこにある縁を切って遊ぶ(主が望まないかぎりは主の縁以外で)。
でもあの金髪貴族には運命操作のスキル通じない。僕より強い力がある」
陽夏は遺伝子治療を受けて女神との繋がりを完全に絶ったらしい。
(ふふふ、バカですわ陽夏!
自分にそもそもあるイントロンが自然の超能力?
それがいい男と恋愛できる能力だなんて保証ないじゃない!
わたしは女神との繋がりは立ちませんわ。なにが女神=ルシファーですの。ミハエルのほかにもアリウスやフレッドって呼ばれていたイケメンいるじゃないですの。きっとここはイケメン星なのですわ。
いい男の隣の席はわたしがゲットしますのー!)
「きぃてんのかなアンジェラ」
羊のマスコットが独りごちる。アンジェラはどーも聞いてなさそうに見えた。
陽夏と冬華はすでに食事を終え帰り、後はスケルトンだけである。
それに気づいたアンジェラは自分も出ようかとレジを済ます。
と、レストラン前に現れた影2つ。
「あ、女の子のマル秘手帳の爆殺時間通りだ。ヒロインは爆殺しよう!」
「でも陽夏ちゃんはいないねえ。彼女も爆殺今じゃなかったっけ」
「まあ彼女だけでも」
「おっけー」
それだけ会話をしたら2人は男が前、十二単の女が男の陰に隠れるようにして、スタスタとアンジェラの方に歩み寄る。
アンジェラはようやく気づいた。
「あら、ごきけんよう! お近づきになれまして光栄です、わたくしアンジェラと申しますわ! うふふ、あなたみたいなハンサムな方に近づけて嬉しいですわ」
「どうも。ミハエルです」
と軽く挨拶してミハエルは丸い物をアンジェラに渡した。
「あら? お近づきの印ですか? ありがとう」
よく確認せずお礼を言う彼女。
「あら、どこいくんですの?」
スタスタと男は立ち去るようである。十二単の女はニコニコアンジェラを見ているが
(女なんてどうでもいい。男が重要なのですわ)
と無視をする。
「ちょっと……」
と言葉を濁して立ち去るミハエル。
とその時、
ボフン!
と大き目の音がしてアンジェラがプハァ……と煙を吐く。
「大丈夫。アンジェラ」
めーちゃんがやる気なさそうに聞く。
「……これが大丈夫に見えるなら毛を刈って差し上げますわ」
「あのね。男の恋愛古典では
『恋とは爆弾処理』
『愛とは幻想、錯覚、洗脳と似た部分がある(アガぺーの方は違う。恋愛だけ)、それを分かった上で恋愛するなら得るものはある』
『結局、恋愛なんてあみだくじ(アガぺーの方は違う。恋愛だけ)』
『アガペーを互いに出し合える女と手を取り合うのは本当に幸せだ。でも恋愛というルートでそんな女に出会うのは難しい』
らしいよ。男の心今読めたから読んだけど。
『女が恋愛に臨む態度』
とかなり違うもんだねえ。ねえアンジェラ!」
「認めませんわ! 認めませんわ~~~! そんな人の醜い部分を見すぎてガラス越しに人間を観察するようになってしまったような悲しい事なんて~~~~~!」
地団太踏んでアンジェラは
「いいですの! 恋愛とは幸せを掴む必須ルートなんですの! それは――」
「あ。手が滑った! いやっほ~い!」
後ろから十二単の女のふざけた言葉が聞こえた。
ボフン! 手が滑ったらしく爆弾をおまけで食らいケホケホとせき込む。
「わたしもしなかった息子さんの心詠むとか度胸あるねえ~殺されるよ?
でもね。
『アガペーを互いに出し合える女と手を取り合うのは本当に幸せだ。でも恋愛というルートでそんな女に出会うのは難しい』
これわたしもそー思う。最初の最初は恋愛じゃなかったもん、そこから恋愛ルートいくかは当人のご自由で~ってとこで」
爆弾2発食らったアンジェラは聞いていなかった……。
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