11 メタモルフォーゼ
「大潮の朝、広い浅瀬の水が引き、海底の道が現れた。大陸では氷河が発達し、海水面は徐々に下がっていった。今まで海にじゃまされえていけなかった島に渡れるようになり、大陸を分けていた海峡が人々を受け入れるようになった。その朝につながったのは、緑の森のある島につながる南への道だった」
時代は氷河期が進み、しだいに寒冷化が進んできた。
人々は、暖かい地方へと南下をはじめ、食べ物が容易に手に入る海岸をめざした。
ナレーターの声でライドルたちは時々水をバシャバシャ言わせながら始まりの島から大きな島へと歩いていった。そこは比較的温暖な大地、緑の森のある島。ライドルたちは近くに大きな河口のある湿地帯のそばに拠点を作る。
ボードゲームの進むマス目には例えば、次のような言葉が示してあった。
原子時代
♡あなたはクロマニヨン人の少年ナダと出会い、命を助けたことからすっかり仲良しになり、クロマニヨン人の村で一緒に暮らすこととなった。金貨1。
(ここからは金貨1などの記載があれば進化金貨がもらえる、同じに失1などが書いてあればそれだけ進化金貨を失う)
♡石器、斧、矢じり、石のナイフなどが作れる。金貨1。
♡日の実用化、火を囲み、獲物を焼いたり、獣から身を守る。金貨1。
●海岸へ進出、砂浜で貝を採っていたら大波とともに押し寄せたシャチに襲われる。失1。
♡上手につかむ手の発達、釣り針作りなどの細かい作業も可能となる。金貨1、知1。
そしてそれぞれの大陸エリアに遺伝子ハンティングエリアがある。ここではマスに止ると動物出現の前触れがあり、ぴょこんと、動物が飛び出してくる。
動物の能力やスペックも一緒に出てくるので遺伝子を取り入れるかどうか決める。
取り入れると頭部や手足など、体の1部がその動物に変ったりする。
取り入れられる遺伝子は6、7種類、それ以上多く取り入れると暴走して進化金貨が減少することがある。
「おい、モリー、もしもカエルが出現したら必ず遺伝子をゲットするぜ、いいだろ」
「もちろんよ、でもそのためには、うまくカエルのマスにいかないと」
「ようし、カエルのマスが近づいたら俺がサイコロ振るから」
遺伝子ハンティングポイント1、母なる水の恵み。湿地帯から河口へ。
さて次々といろいろな生物が出てくる。遺伝子を取り入れるかどうかは、貴方の運と戦略次第だ。
プラナリア;命1、再生能力、体をバラバラにされても再生できる。
クモヒトデ;命1、5本の腕の1本ごとに体1体分の機能があり、再生できる。
ウーパールーパー;泳2、水中呼吸するエラ。
コモリーガエル;泳1、命1、背中の穴で子育て、※ただし3ターン後。
ベルツノガエル;攻2、大きな口で何でも飲み込む。
シャコ;攻3、貝殻もたたき割る強力なパンチを持つ。
マタマタ;攻2、防1、餌を水ごと吸い込む、小さいときは枯葉に擬態。
パラシュートガエル;飛1、大きな水かきで滑空する。
ヤシガニ;攻3、強力なハサミ。
ワニガメ;攻2、ミミズのような舌でおびき寄せ強力なあごで逃さない。
スッポンモドキ;ブタのような鼻、発達した水かき、泳3。
カエルが出現したのに、運悪くテッドはちょうどいいサイコロの目を出せずに、そのマスを通過してしまう。
「くっそう、コモリーガエルでもベルツノガエルでもどちらも好きなカエルだからよかったのに、通過してしまうとは、不覚!しかも続けて赤が出て、選ぶこともできないなんて…無念…」
「テッド、残念だったね、でも仕方ないよ、今度カエルが出たら必ずゲットするからさ」
「うううん、モリー、有難う、次こそは」
その代わり、モリーとテッドは考え、シャコの遺伝子を取り入れ、両腕に強力なシャコパンチをゲットしたのだった。
ブタのブウをライドルにした長老のシバシグマたちは、ブタのような鼻とくりくりのかわいい瞳を持つ、スッポンモドキのコウモリーの翼を小さくしたような水かきを手に入れ、早くも大変身だ。
内臓丸見えペアのブルーのネコノミーは、プラナリアの再生能力を手に入れ、命を1つずつゲットしていた。
緑の島の奥地へ
「加工や死地帯で力を蓄えたあなたたちは、ある日つい奥地の森へと足を踏み入れたのだった」大陸の奥地では、農業と出会い、さらにすべてが進化していく。
♡火の持ち歩き、たいまつを持つ。金貨1。
♡農業の開始、大陸の中心地から農業が伝わる。クワや鎌を手にもつ。金貨1。
●農地や水を巡っての争いで部族同士で争う。失1。
♡神にささげる祭事用に土器、陶器を作ることができる。金貨1。
♡別々野地域で採れた作物や特産物の物々交換が始まり、やがて商人が生まれる、金貨1。
♡斧で木を切り倒したり、加工する。金貨2。
●質の良い武器を手に入れようとクロマニヨン人の他の部族が侵入してくる。失1。
♡穀物や酒など、生活に使う土器、陶器などが作られる。金貨1。
♡カヌー、大きな木をくりぬいてカヌーを作る、金貨1。
♡仲間と力をあわせ、遠くまで航海できる大きな船を作れるようになる。金貨2。
●海賊の襲撃。宝物と酒がごっそり取られる。失1
♡職人・軍人の登場、剣と盾を持つ軍人、のこぎりやハンマーを持つ職人の登場。金貨1。
♡長かった氷河期が終わり、餌が増える。温かくなるのと同時に海が陸地の中に進行してくる。
ナレーターの声が響き渡る。
氷河期が終わり、また海水面が上昇してくる。「大きな船を手に入れたあなたは遠くの島を目指して出港する」
今度はすごろくのマス目の道は海岸や海の中に続いている。
ハンティングポイント。海の上や海岸であなたはいろいろな生物に出会う。
カツオノエボシ;攻2、有毒、いわゆる電気クラゲ。
クリオネ;人気3。
大王グソクムシ;人気2、防2、鎧のような体。
オーストラリアコウイカ;防3、知2、皮膚の色や質感自在。
海イグアナ;泳2、鋭い爪で岸壁に捕まり、平たい尾で海に潜り、海藻を食べる。
リーフィーシードラゴン;防2、泳2、海藻に擬態。
カエルアンコウ;攻2、泳1、ひれで海底を歩き、頭の飾りで小魚をおびきよせる。
ミミックオクトパス;防3、知3いろいろな生き物に擬態。
タチウオ;攻3、立ち泳ぎで下から近づくと大きな魚だと気づかれない。鋭い歯でパクリ。
マンタ;泳2、飛1。
ブルーマーリン;攻3、口先の鋭い角で小魚を傷つけ、餌にする、遊3、高速で泳ぐ。
ジュゴン;人気3。
イリエワニ;攻3、強大なあごと尾の力。
シャチ;攻4、音2、知3。
アカエイ;尾に強力な毒針。
「こまったわねえ、この辺は海だからカエルはいないと思っていたけれど、本当に全く出てこないわ。どうする、テッド?あ、カエルアンコウって魚はいるけど…」
「じゃあ、それでいいよ、カエルアンコウでさあ。顔はカエルに似て居るみたいだし」
カエルアンコウは、泳ぐのが苦手でヒレを足のように使って海底や海藻の中を歩いたりするような変わった魚だ。カエルに似た大きな口、チョウチンアンコウのような餌を集める誘引突起もある。2人で納得して、遺伝子を取り入れる、ピーちゃんはどのように変わったのか?さらに強力パンチのシャコと、ものまねタコの遺伝子も取り入れられた。
「あ、顔がカエルアンコウの顔になったわ」
蛍光イエローの翼にがっしりしたシャコの両腕、物まね上手のタコの8本の器用な腕、すらりと長い足、鳥人間のように進化していたピーちゃんは、ココでちょっと笑える顔の大きなカエルアンコウの頭に変わった。
また、トカゲのチョロはプラナリアの能力を手に入れ、命が1つ増えたのだった。
そして船は初めての長い航海を終え、大きな平原の島にたどり着いたのだった。
そしてここでクロマニヨン人は体も社会も劇的に進化を迎えるのであった。
「さてこれからが、進化金貨のためどころ、♡のあるマスにうまく止めてね、テッド」
「まあ、それは2つのサイコロの数の出た数任せだ。気合入れてサイコロ振るぜ」
ライドルたちは♡のマスに止れば明るい音楽とともに喜んだ李、体が変化したりするが、●のマスでは金貨がこぼれてゆき、悔しがる声や重苦しい曲がかかるのだ。
あなたは一緒に暮らすクロマニヨン人たちとこの森で新しい村づくりをはじめ、ともに進化していったのだった。
♡吹き矢で小動物や野鳥を狩る。金貨1。
クロマニヨン人の進化。♡体が大型化するにつれ、女性は生理が月1回に増え、毎月妊娠可能に進化する。繁殖が年1回から月1回に増え、クロマニヨン人は数と勢力を広げていく。金貨3。
●北の森から南下して来た怪力のネアンデルタール人と戦争になる。失1。
♡身長3m体重500kの巨大ゴリラ、ギガントピテクスに襲われるが、集団で戦うことで追い返す。金貨1。
♡槍や落とし穴を工夫し、マンモスや毛さいなど大型の動物を狩るようになる。金貨1。
♡餌を海の魚や貝などにも求めたため、人類も海中生活に適応し、水かきが発達したり、体毛が失われたりする。金貨4。
♡柄の長い長槍を工夫し、ネアンデルタール人と互角にやり合う。金貨1。
●落とし穴にマンモスが入って暴れ回り、けが人が出る。失1。
♡長く続く氷河期に対応し、衣服を作る技術が村に浸透する。金貨2。
♡刃物の技術が進み、ナイフで様々なものを加工する。金貨1。
●例外で隣国の強力なクロマニヨン人の軍隊が進行してくる。失1。
●やっと手に入れた青銅器性の剣を掲げ、迎え撃つ。金貨1。
♡集団戦で槍攻撃で大勝利。金貨1。
●怪力のネアンデルタール人と戦い、こちらの兵がなん人もやられる。失1。
●ネアンデルタール人との戦いで、投槍器が大活躍。離れた敵に確実に槍を飛ばすことができ、初めての勝利。金貨2。
♡さらに、弓矢が発明され、実践投入、樹上や離れた獲物を狩る。金貨2。
♡投石機;大きな石で敵の兵を蹴散らす。う。金貨1。
ネアンデルタール人との抗争も終わり、あなたたちは森の中に大きな村をつくる。
♡宗教、死者を弔い、神に祈る。村の中心に協会ができる。金貨2。
♡芸術、美しいもの、心に強く印象付けられたものを絵画や彫像で表現する。金貨3。
●宗教の違う部族と血で血を洗う激戦を繰り返す。失1。
♡自然科学;自然現象を観察や実験で解明する。金貨3。
♡農業革命を行い、収穫高を劇的に増加させる。金貨2。
●収穫高の高い豊かな土地を狙って隣国が侵入する。失1。
都市国家が生まれ、村はやがて街へと発展していく。金貨1。
♡貨幣・紙幣を流通させて経済を発達させる、金貨1。
♡コショウ、クローブ、ナツメグなどの高価なスパイスを求めて世界中に船が出港する。新しい航路や新大陸が発見され、植民地の開拓や奴隷貿易などが始まる。金貨2。
♡家内制手工業を始めて、生産高を増加させる。金貨1。
●石炭がエネルギーとして注目され、隣国が侵入してくる。失1。
♡大量生産して生産コストを下げて、安い品物を大量に売る、金貨2。
♡産業革命、機会で大量生産を行ない、大量消費を行う。金貨2。
●石炭や鉄鉱石の豊富な地帯でそれを狙って根深い戦争が起こる。失2。
石炭や鉄鉱石の取れる大地に進出したあなたは、昆虫や爬虫類とも遭遇する。
ハンティングポイント昆虫と爬虫類
シロアリ;社1社会性、巨大で快適な巣。
ハキリアリ;社3社会性、農業。
サムライアリ;攻3、社2社会性、奴隷制。
ハンミョウ;撃2、動きの素早い肉食性昆虫。
グンタイアリ;攻3、巣をつくらず軍隊のように行進してすべてを食らい尽くす。
大ムカデ;攻撃3、、強力な毒牙を持つ。
サソリ;攻3、尾の毒針が強力。
オオクワガタ、攻3、防2。
ハナカマキリ、攻3、蘭の花に擬態する。
ナゲナワグモ;攻3、粘着性の重りを付けた糸を振り回し獲物を採る。
ケラ;泳1、穴掘り2、飛2、土を掘って進み、泳ぎも達者、空も飛べる。
ニホンミツバチ;社3、受粉採蜜、集団攻撃。
ヘラクレスオオカブト;攻4、長い角で敵を挟んで投げ飛ばす。
スズメバチ、攻4、強力な大あご、何回もさせる毒針。
爬虫類
「テッド、今度は爬虫類だってさ。このへんで毒蛇とかと合体して装備を挙げておいてもいいんじゃない」
「ええ、カエルにとって、ヘビは天敵だよ。びびってきがすすまないなあ。まして合体するなんてね」
最近、テッドはカエルに似てカエルを捕食するヘビやトカゲ、大型の鳥たちもだんだん嫌いになったようだと本人は言う。
「それじゃだめじゃん。もう、しょうがないなあ」
モロクトカゲ;突起やトゲに包まれた防2、鎧のような体、耐乾燥2。
トビトカゲ;飛2、胸から突き出た翼で空を滑空する。
エリマキトカゲ;攻1、エリマキを急に開いて相手を威嚇。
ツノトカゲ;攻1、防2、瞼から血液を相手に吹きかける。
ヤモリー;攻2、指のひだで、壁に吸い付く。
ハコガメ;防3、体を引っ込めてふたをする。
ケープコブラ;攻3、毒牙の神経毒を相手に向かってとばす。
ホウシャガメ;防2、甲羅の美しい放射模様が保護色となる。
ガラガラヘビ;攻4、ピットで獲物の体温を関知する、牙に血管毒。
カメレオン;攻2、体色を変える、舌が素早く伸びる。
バシリスク;走3、足を高速で動かし、水の上を走る。
アナコンダ;攻3強い力で相手を絞め殺す。
コモドドラゴン;攻3、下あごに毒。
ブラックマターと偉大なブタのペアのトカゲのチョロは、昆虫と爬虫類のハンティングポイントで大幅に遺伝子を取り入れた。右手はもともと、毒蛇、そして頭部は、毒のあるコモドドラゴンの強力な頭部が大迫力で、先が2つに割れた長い舌が不気味に出入りするのだ。
シャドーピエロとアンディーライムのペアのコオロギのリンもここでかなり強力になった。もともと紫色の不気味な昆虫人間だったが、そこにタチウオの鋭い歯が生え、さらに右手にはサソリの毒針のついた尾、左手にはムカデの毒牙が付いているのだ。そのほかのライドルたちも次々に遺伝子を取り入れ、デザインも能力もどんどん変化していったのだった。
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