高難易度ゲームは異世界だった!貴族のロリ娘は王都で俺と結婚したいらしい。イマイチ乗り気じゃないんですけど。先回りしてイベントをクリアしたら主人公が怒って攻撃して来た
第58話 ~暗黒ルート~ 僕の名はリムル!勇者の末裔だ!
第58話 ~暗黒ルート~ 僕の名はリムル!勇者の末裔だ!
僕は失意の中、城の中で身支度をしていた。
この立派な部屋からも今日で去らなければならない。
あのカイトとかいうやつのせいで僕は居場所がなくなった。
王家の魔王討伐軍に入ることが出来れば、沢山の報酬がもらえる。
シスターや孤児院の子供達に美味しい食事を与えることが出来るはずだった。
あのカイトとかいうやつのせいだ!
くそ!
なんてこった!
僕は勇者の末裔だぞ。
それなのに追放だと!
こうなったら僕が本物だと証明してやる!
リムル……
リムル……
「なんだ?」
この部屋には誰もいないはず。
辺りを見回す。
「あ!」
黒い妖精。
背に生えた小さな羽をパタパタさせ、地面から50センチほど浮いている。
金色の短い髪に、くりっとした可愛い目。
褐色の肌に黒い衣をまとっている。
ダークフェアリー。
本では読んだことがあるが、今、何で僕の目の前に。
「私の名はカチュア」
ダークフェアリーの名はカチュア。
魔物の本で読んだ通りだ。
「勇者リムル。あなたは伝説の勇者の末裔」
「ああそうだ!」
澄んだ声で僕のことを話し始めたカチュア。
「なんで僕のことを知っているんだ!?」
「あなたを仲間にするため」
「なんだって!俺は君達、魔物の仲間になる気は無い!」
俺の末裔は魔王を倒した。
その子孫の僕が魔王側につくわけがない。
「魔王軍にも、色々な派閥があり、私が属する派閥は、人間との融和をめざしている。そこで、勇者の末裔のお前の力が必要なのだ」
「……」
「カイトに復讐したいとは思わないか?」
「僕は、人を傷つけようとは思わない」
「リムル、そうやって自分を美しく保つのはやめるのだ。誰しも自分の気持ちに正直に生きなければ損をする。あのカイトも自分に正直に生きることで、お前を追放へと追いやった」
「……」
「私と契約したら力を授けよう」
「……」
「いいな」
「……わかった」
◆
俺はバイム王にあてがわれた部屋でくつろいでいた。
上手いお茶を飲みながら、ソファでごろ寝しつつこう思う。
そろそろリムルの奴、ダークフェアリーと契約してる頃だな。
ゲーム通り、闇の力を身に付け暗黒ルートを突き進むはずだ。
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