第45話 パーティ名を決める!卑猥な単語を入れて何度も弾き返される思い出。

「18番の札でお待ちの方、どうぞ~!」


マゴベッドの声で受付に向かう俺達。


「えっとぉ、パーティ名を教えてください」


「え?」


そういえばまだ考えてなかったな。

自然発生的に生まれたパーティだからな。


「えっと……」


確かゲームでは、『暗黒ギルティ・ホライゾン=閃光の女神と世界の終わり』だとかいう中二病みたいな名前つけてた覚えがある。

ゲームだから良かったけど、ここは生身の人間と関わる世界なので、あまり黒歴史っぽ名前は恥ずかしいし、呼びやすい名前がいい。


「『いちごみるく』、可愛いし、とかどうですか?」


はい、却下。

アオイ、それお前の趣味な。


「『あいのり』なんてどうかしら?カイトとリムルと私で新しい恋愛三角関係が生まれそうだわ」


それもダメ。

エミリア、恋愛リアリティーショーをやりたいなら他でやってくれ。


「……」


フィーナは、相変わらずだな。

俺に任せようってのか?


「ん?」


リムル、お前はどうした?

無関心って感じだな。


あ、そっか。


こいつパーティメンバーって言うよりも、仮パーティメンバー化。

一時的に入って来ているだけだから、俺の指示を聞かないしある程度自由に動くつもりなんだろう。

ゲームの時のNPCみたいな立ち位置だな。


「じゃ、『ブルー旅団』で」


「はい。ブルー旅団ですね」


許可された。


「なんだか、個性のない名前ですね。でも、カイトさんが決めたんならそれでいいと思います」


「私ももう少し卑猥な名前を期待していたのだけれど……」


アオイやエミリアに合わせてたら、俺が恥ずかしい思いをするから無視する。


「いい名前だ」


だろ?


フィーナ。


クールそうで俺は好きだ。


「では、バイム王からのクエストということで、発注手続きに入りますね」


ちゃきちゃきと仕事を進めるマゴベッド嬢。

彼女をプレイヤーに選ぶと、ギルド運営というシミュレーションゲームも楽しめるぞ。


「では、『巨人の塔にいる巨人の討伐』クエスト、頑張ってください!」


こうして俺たちはクエスト証を貰い、クエストを受注した。


そもそもこのイベントは、リムルの誘いを断り、王様の謁見が無ければ発生しない。

逆に、リムルの誘いを受け入れ、王様に謁見すればこのイベントは発生しない。


つまり、魔王討伐という本筋とはあまり関係のないイベントだ。


全てのイベントをコンプリートしたい人向けのサブイベント的扱い。


内容と言えば、レベル25くらいで楽々クリアできる内容だ。

今の俺なら余裕。



あくまで、バイム王が、リムルと俺の仲直りを目指したイベントだ。


だから、このイベントでは分岐がある。


リムルより倒した敵の数で分岐が発生する。


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