第4話 村人に転生した俺は自分のステータスの低さに愕然とした

「さあ、村人カイト!魔王を倒してこの世界を救って!」


美波が俺の手を握った。

柔らかい手の平。

その瞬間、俺の視界が歪んだ。

周りの景色が暗転する……。



「はあ!?」


俺は目覚めた。


「さぁ、カイト!竜暦197年211日よ」


ミナミの声が俺の脳内にこだまする。

姿は見えない。

俺はゲームスタート時点の年月、その時のカイトに転生した。


その証拠に彼のステータスはゲーム初期のものだ。


レベル:1

体力:10

精神力:5

攻撃力:5

防御力:10

幸運:1

早さ:14

職業:村人


まったく、どうしようもない。

だが、カイトでないとこのゲームは楽しくない。


黒髪で、白い肌。

ちょっと女っぽさがある少年、それがカイト。

当たりを見渡すと彼が住むボッカケ村そのものだ。


今頃、リムルも……


と、ここまでが俺が転生したところまでの話だ。


次は、現世でゲームをしていた時から通り魔に刺されるまでを話す。

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