第18話 法皇就任面倒臭せぇ!

『この後は任せる』なんて無責任だぞゼス!

 礼拝堂は大騒動になって収支が着かん。

 ゼス神の降臨に神罰発言、法皇が偽神託にせしんたくいつわって広めていた事は、ゼスが直接法皇に神罰降して、これは良いが、神殿の神官達を睨んで。

『他にも腹立たしい者が居るが、ロゼットさんを女法皇と崇めるなら、これくらいで許してやる!悔い改めよ!後はロゼットさん任せる』

 なんて言い残すから、神官達身に覚えが有るのだろう、全員ビビって平伏ひれふして動かん。

 一般信者達も平伏して拝んで居る、俺を。


「さて、この場をどうやって収めるか?」

 と思っていると、ゼロスだったか?神殿騎士団長に促された。

現人神あらひとがみロゼット様!壇上に上がって一言を、皆に与えて下さい!」

 一言なんて、何を言っていいか・・・今の俺の気持ちを素直に言うと、神とは無関係な迷惑団体ぶっ潰してやりたいって言いそう。


 ま、上がって何か言わないと収まり着かんだろう、意を決して壇上に上がった。

 神官達に信者達平伏したまま、俺が何を言うか固唾を飲んで見てる。


「私はサンセット王国のロデス伯爵領を任せられて居る、ロゼット・フォン・ロデス伯爵である!!本来ならば、ゼス神が嫌って居る『ゼス聖教』など関わりたくは無い!!しかし、私が見離すとゼスは見境無く、この辺り一帯を神罰と称し消し去ってしまうで有ろう!

 この下に並ぶ神官どもが神罰喰らうのは自業自得でどうでも良い事だが、私を崇める従者元司教で、聖人を目指して居るマルセルや、ゼロス神殿騎士や騎士団達、それに、何も知らずゼス神を祈って来た一般信者の皆さんが神罰に巻き込まれるのは阻止したい!!

 全て丸く収める為に、しょうが無いので私がゼス神の希望通り『ロゼット法皇』に就任する!!」


 ここで一旦話を止め、平伏す皆の反響を確認する、平伏しながら不安顔の皆が、安堵の表情に変わった。


「私の就任に不満のある者は居ない様なので、法皇として命令する!!大神殿を始め各地にある神殿より、キンキラ装飾品を全て取り除け!集めた装飾品は金と銀で価値のある物売り払って、神殿運営の資金にせよ!!

 次に神官全員の身分を剥奪する!!今現在を持って全ての神殿従事者、男は神職、女は巫女とする!!

 今まで信者からの寄付金で優雅に暮らしていた、神官どもには耐えられない清貧の暮らしに変わる事で有ろう!神殿を去るのは自由だ!!」



 もう話す事は無いが、誰も立ち上がって帰ろうとせん。



「一般信者の皆は、今まで通り暮らしていて祈りは気が向いたらで良い、今後神殿は怪我病気治療の病院として機能させる!!

 適正価格の診療を行うので気兼ね無く訪れるといい!

 なお、礼拝堂の一部を健康相談部門に変え神職が対応します、最終的には私ロゼット法皇が難問相談の解決にあたります!

 この後神職の会合を開きます、全員集合するよう!」


 俺はユックリ見回しながら、壇上から降りた。


 礼拝堂の一般信者は凡そ1500人は居たようだ、この人達が帰って話せば今後の方針は住民に自然と広まる、正式な告知はもう少し後で良いだろう。


 それより悪い癖、話を広げ過ぎた帳尻合わせ、神官達の能力確認を急いで、人材を適宜てきぎ配置代えして神殿改革を進めないと・・・面倒臭せぇ!!

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