聖活魔法使いの過ごす日々

犬時保志

第1話 プロローグ

「王子様です」

「ローザ王妃にデカシタと伝えてくれ!」

 儂はローデウス王国の国王じゃ、今年で35歳になる。

 20年費やしてやっと息子が産まれた!

「ローデウス王、産婆さんばから残念な報告が入りました」


 残念な報告と言われ、一瞬死産が頭をよぎった。

「息子は無事には生まれなかったのか」

「お耳を拝借」

 侍従は小声で言った。

⦅王子様は双子で御座いました、魔力無しの方の王子様に『イブの妙薬』を服用し王女に変え、騎士に身柄を預けました⦆


 産婆は口封じのため投獄され、赤子を託した騎士は西の隣国サンセット王国に向かったとか。

 儂が考えた、女児だった時の名前『ロゼット』の命名にレイピア造りの宝剣を持たせたそうだが、二度と会う事は無いで有ろう、不運な我が子が健やかに育つよう西に向かって祈った。





『冗談じゃねぇ!産湯の時たしかにチンチンがあった!神さん約束通り男の身体をくれた!!と喜んだ直後、苦い薬をスポイドで口に入れられ、チンチンが引っ込みワレメが出来やがった!

 話が違う!女の身体に悩む、これじゃ前世と同じじゃねぇか!!』


 俺の親父になる、無爵位騎士のゼンは俺を託された時、男爵位と『ロデス』の家名を授かり、ゼン▪ロデス男爵になったそうだ。


 親父の従者が御者する馬車は貴族専用通路を通過、サンセット王国に入国した。

 馬車は王宮を目指し大通りを進み、貴族街の大使館に到着した。


 大使はローデウス王の従弟いとこだそうで、早馬で届いた書状で俺の事を知って居るようだ。

「ロゼット▪ロデス様の事は承知して居ります、ロデス男爵邸も準備整いました」



 結構な豪邸に案内され、今日から俺ロゼットと親父のゼン、お袋のローラ俺の姉になるのか?赤子のリミ家族4人の生活が始まった。


 因みに親父と大使が話てた、俺の魔力が無いって話。

「魔力がFで無くても、せめてGやHなら魔法の望みがあったのですが、Sと聞いた事の無い低いランクでは……」

(SってスペシャルのSだろう!Aの上だぞ!魔力無しどころか、これから魔法に関しては期待できるぞ!!)

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