第8話:肝胆相照らす。(かんたんあいてらす)
「アカルは毎回、あんなのと戦ってたの?」
「そうですよ」
「たぶん、いまのはザコです」
「今日は一体でしたけど、何体も同時に出てくる時もあります」
「なにわともあれ、先手必勝・・・早めに倒した方がいいんです」
「持久戦になると不利ですからね」
「これから、もっと強いカイライが現れてきますよ」
「油断は禁物です」
「私でも手こずることになるかもしれません・・・」
「覚悟しておいてくださいね」
「僕は動く間もなかったよ・・・何もできなかった」
「あなたは無理に戦う必要はないのです」
「新月丸で身を守ってください」
「カイライが襲ってきたら新月丸を中段に構えるだけでいいですから」
「新月丸から放たれる殺気を感じれば、傀魔は身を引きます」
「万が一襲ってきたら自分の身を守るために戦ってください」
「跳躍はできなくても傀魔の足くらいは切れるでしょ」
「傀魔を倒すのは私の役目です」
「神羅はとにかく負傷しないことと殺されないことに集中してください」
「もし、神羅が死んだら私を召喚する人がいなくなります」
「それが敗北につながりますからね」
「分かった・・・」
「あれ?襲われた人、逃げたのかな・・・いなくなってる」
「傀魔に食べられなくてよかったです」
「今は、何も匂わないな・・・」
「傀魔はあの一体だけだったのでしょう」
「人の気配もありませんし・・・今夜はこれまででしょうか」
「傀魔を召喚したやつも逃げたのかな・・・」
「そうかもしれません・・・近くにいたことは間違いないかもしれあせんね」
「気配さて感じさせないんですからかなりの手練れですね」
「また出会うチャンスはあります」
「さ、長居は無用」
「帰りましょ・・・」
「なるべく誰かに見られないほうがいいでしょう」
「また君に掴まるのか?」
「そうですよ・・・ひとりで歩いて帰ります?」
「あまりいい気分じゃないんだよね・・・循環移動するって」
そう言いながら神羅は阿加流姫にしがみついた。
「え?震えてるんですか?」
「一瞬で違う場所に移動する時って自分がどうなってるのかそれを
考えるとさ、そりゃビビるよ・・・」
「くすっ・・・可愛い人」
「笑うなって・・・アカルとは違うんだぞ・・・ビビらないほうが
どうかしてるよ・・・」
「ところで、私が宙に飛んだ時パンツ見ました?」
「パンツ?・・・見てない、見てない・・・アカルの言った通りそんな
余裕も暇もなかったよ」
「それに暗いから見えるわけないし・・・」
「見えたのは、おぼろげに光る三日月丸だけだったよ」
「見たいですか?・・・パンツ」
「なに?夕べから異様にこだわるねパンツに・・・見せたいのか?」
「俺をからかって面白いか?」
「ですよね・・・くっくっくっ・・・」
「笑うなって・・」
「はい、ごめんなさい・・・」
「できたら私にもっともっと神羅に興味持って欲しいって思って・・・」
「私は召喚士から思われれば思われるほど強くなって行くんです」
「え?そうなの?・・・そんなことで強くなるんだ」
「そうじゃないですか?好きな人のためならモチベーション保てますし
テンションだって上がるでしょ?」
「まあな・・・って言うか・・アカル、なにげに俺のこと好きなの?」
「それはただ行為を持ってるって意味?それとも・・・」
「とにかく召喚士と神霊は一心同体、
「なにその・・・かんたんなんちゃらって熟語みたいな言葉?」
「
こもった交際をすることをいうんです」
「「肝胆」は
いつも隣同士」
「最終的に神羅と私のお互いの想いは愛を超える存在にならなくては・・・」
「だから私を嫌いにならないでくださいね」
「わ〜なんかそれって究極じゃん・・・俺の責任重大・・・」
「じゃ〜帰りますよ、しっかり掴まって」
神羅と阿加流姫は一瞬でその場から消えた。
つづく。
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