第54話 再会
そして放課後。3人は鈴の元へと向かった。会えることに喜んでいいのか?複雑な気持ちだったが、もう会えないと思っていた鈴と会える嬉しさが勝っていた。みんな思っていることは同じだったが、その思いを言葉にすることができずにいた。そんな時、最初に声を発するのはいつも春だった。
「もう鈴と会えないと思ってたけど‥‥こういう形になってしまうけども、私は鈴と会えるのが嬉しいと思ってる」
優と翔はうなずいた。そして翔も口を開いた。
「鈴ちゃんの死を目の前にした後、頭の中がおかしくなったけど、鈴ちゃんと会えて本当に嬉しかった」
優と春はうなずいた。
「そうだよな‥」
優がしみじみと言った。
3人とも思いは同じだった。ただ、鈴がどう受け止めるのか、どう思うのかはわからなかった。生きている人間。死んでいる人間。これはどうにもならない事実だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます