第40話 衝撃③
春はしばらく泣きじゃくっていた。そのうちに、段々と呼吸が整ってきて、泣き声も静かになった。体を起こして、ポケットのハンカチを出し、鈴の布団についた涙を拭いた。そして自分の顔の涙を拭いた。またしばらく、そのまま鈴を見つめていた。鈴の最後の姿を、記憶に留めようとしているかのようだった。そして春は立ち上がった。
「翔、鈴と2人きりになれるのは、もう最後になると思う。私も外に出てるから」
翔は無反応だったが、春はそう言って、外へと出て行った。
春が出て行ってからしばらくして、やっと翔の思考が働き出した。今目の前で起きていることを、一生懸命認識し始めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます