九噺 鉛筆

 物持ちがいいのか。何なのか。我が家には鉛筆が大量にある。

 デッサン用の色の濃淡がある物ではなく、みんなHBの鉛筆だ。


 貰って困る物。手編みのマフラーや手袋。

 幸運なことにパートナーから貰ったことはない。こんなもの毎年貰っても仕方ない。そう鉛筆だって大量に貰っても仕方ない。

 

 何か想いのこもったものである。それを送って必ず喜んでくれることを見越したプレゼントは相当重い。特に鉛筆で多いのは合格祈願だ。


 私の住んでいた地域は中学から上はみんなシャープペンシルだった。鉛筆なんて使わないのだ。今だって、書いているのはパソコンで正直私信もパソコンで書きたい。


 パソコンを使わずともボールペンや万年筆があるだろう。合格を祈願して送られた鉛筆を使ってマークシートを埋める。そういう作業はここに至るまで無かった。やっと最近使っているが消しゴムが無いのだ。無念。

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