魔神殺しの不幸少年〜どんな魔法でも無条件で使えるチート魔導書と出会った僕は、全ての不幸を塗り潰し現実と魔法世界を無双する〜

キムチ鍋太郎

プロローグ 

1ページ 聖なる夜の出会い

 三門春馬みかど はるま15歳。自分で言うのもなんだけど、僕は大分不幸な人間だ。

 

 何をやっても裏目に出て、まるで上手く行ったことが無く、学校ではいじめられていた。それでも決して見捨てず、側でいつも寄り添ってくれていた両親は事故で死んでしまった。


 今はお爺ちゃんの家に住んでいて、『面倒ごとを押し付けられた』などと言う認識で僕の扱いは邪険にされている。

 

 この上細々とした不幸をあげたら、それはもう本当にキリがない。


 心の底から絶望し、ハッキリと分かった。この世には、奇跡も魔法も無いんだってことを。


 一度は考えた。魔法はあるかもしれないと。こんなに不幸なのは悪い魔法使いが僕を呪ったに違いない! なんてね。


 僕は消極的になった。

 何にも希望を抱かなくなった。

 奇跡なんて、信じなくなった。


 だから驚いたんだ。


 宙に浮かんで喋る本。

 こんな、ファンタジーみたいなことが有るなんてまさか思うわけが無い。

 そんなが、僕に起きるだなんて。


『やあ、!』

「あ、あり得な……い……」

『あり得るのさ! 早速だけど、ぼくへ贈り物があるんだ! ……あれ、もしかして気絶してる?』


 12月25日、聖なる夜。

 これが僕と本の出会いだった。

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