夢語
かししゅ
夢
陽の落ちかけた空を僕は窓から見ていた。鴉が鳴きながら空を羽撃く。
「いいよな、鳥は自由で。」
そう独り言を放った。
僕は学生だ。自由になろうたってそう簡単になれるものじゃない。学生という縛りから出たとしても、社会という縛りの中で暮らすことになる。
僕には夢があった。何回も何回も変わってきたが、やっと定着してきた。僕は《小説家》になると決めたんだ。決めた理由は特にない。強いて言うなら、読むことに飽きたからだ。読むことには飽きたが、本は好きだ。それなら小説家になろうというのが僕のこの夢を目指す経緯だ。
僕は最初、建築士になるという夢を持っていた。その夢を叶えるために工業高校へ入学した。しかし、日が経つにつれ、建築が難しく、自分には合っていないと感じ、別の夢を考えるようになった。幾多もの夢を思い浮かべ、僕は決めた。
『僕は、小説家になる』
趣味だった読書に飽き、飽きたから書こうという考えに至った僕は、ペンを取り、思うままに筆を進めた。800字程書き進め、ふと思った。
僕には才能があるんじゃないか
そう思い、書き進めていた。筆が進まなくなり、文章を読み返してみた。
違う…違う……
僕は書いたものを破り棄てた。
翌日から僕は書くことをやめ、読書量を増やした。
増やせば書けるようになるんじゃないか
そう思って。
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