死体の横で

うり

死体の横で

ついさっき、どっかで誰かが死んだの。

わたし知ってる。

何で知ってるの。

毎日、どっかの死を確認しているの。

わたしはいつも通り、面白い数学の問題を笑って解いている。その横で、

誰かが死んだって言ってる誰かが、また死ぬ。

塾に行くか悩んで、その横で、誰かの死体にカメラがよる。

気付いてるかな。

誰かが死んで、その隣で涙が流れて、その隣の隣の隣の…隣くらいで、わたしは笑って悩んでいるの。

他人の命より重たいらしい悩み。

今日の失態よりは軽い悩み。

聞き取れない言語で喋るな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

死体の横で うり @dadada-chabashira

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ