第6話ナイフの使い道

世の中なんて






決して平等なんかじゃ

ないんだから






君が不条理な処遇に

逢う事だってあるさ






完璧な人間なんて

居る訳がないんだから






君が冷たく

突き放される時だってあるさ






そんな時






君はいつも

暗闇で疎外感を抱きつつ






黙々と

思い詰めた顔をして






そのナイフを

研ぎ続けていたのかい






知っているだろうか






今 君の前に

大きくはだかっている

その壁こそが






君がより大きく

成長する為の試金石に

なっている事を






人は

困難を乗り越えてこそ






大切な何かを

得られるんだって事を






逆境こそが

チャンスなんだ






君が黙々と

研ぎ続けてきた

そのナイフは






街で振り回す事なんかに使うんじゃなくて






君の事を気遣う

あの人の為に






採れたての

新鮮な林檎を剥いて

放ってあげたらいい






放物線を描いた

その林檎の先にはきっと





ありがとうと

応えてくれる

笑顔があるはずだ






人生なんて雨の日ばかりじゃないんだから






ゆっくりと歩いてゆけばいいさ





















口笛でも吹きながら



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る