第3話 願い事

 憧れの人だ! 憧れの人が放課後に話しかけてきた。でもその内容は……。

「君はいつも静かだよね。みんなともあまり話さないし……」


 実は私には呪いがかかっている。それは【手を合わせて願い事をすると、不幸を伴いながら必ず叶ってしまう】というものだ。それで今までみんなを不幸にしてきた。(だから暗くもなるよ……)


 暗い性格を指摘されて項垂うなだれる私に近づき憧れの人が言葉を続けた。「でも、そんな君が大好きだ。付き合って欲しい」


「え?」思わぬ展開に、私は両手を包む彼の手の温かさを感じながら心の中で願った。

『この瞬間が永遠に続くといいのに――

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