第24話 ホットココア?
「明日のフラッグ戦はどうしましょうか?」
友好を図る
合同演習の3日目は、変則的なフラッグ戦が行われることになっている。帝国近衛軍、イルドラ公国軍、ナーガオウ州軍の3陣営がそれぞれ2機の重甲機兵で各陣営の旗を奪い合う。
積極的に攻撃に出て、他の2陣営を攻めるか?
上手に隠れて、他の2陣営が潰し合いを待つか?
12キロメートル四方の領域の
「潰し合うのを待つにしても、隠れる場所は?」
「ナーガオウ州軍のホームだろ?連中の方が上手に隠れるぞ」
フラッグ戦に備えてルージュピーク演習場の見取り図を広げていると、いつの間にか食堂にいた他の兵士達も集まってきた。
「勝ちたいのもわかるが、怪我をしたら馬鹿馬鹿しいぞ」
「イルドラ軍は
年配の兵士達からは忠告と受け取れるアドバイスが飛ぶ。ここでもイルドラ公国に対する心証は良くない。
「玲は、どうしたいの?」
御堂が問いかけた時に、入鹿はようやく焼魚定食を食べ終えた。入鹿は食べるのが遅い。量が同じでも、他人の倍くらい時間がかかってしまう。
「はいはい。ママが飲み物、持ってきてあげるねー」
御堂はワザとらしい笑顔を作って、入鹿が普段から選んでいるホットココアを持ってきた。マザコンをネタにして
「作戦なんて要りません。目立つ場所に旗を立てて、ジークフリード二機で敵を待ち受けるだけで十分です」
「え?」
こう言う時には、小姑みたいに
「ゲームで使う重甲機兵は二機しかありません。それが
「まあ・・・自信あるわよ?」
「
集まっていた面々も、入鹿の提案には少なからず驚いたようだ。
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