ショートショート「一休さん」
「一休よ、この屏風に描かれた虎を捕まえてみよ。」足利義満は言った。
「将軍様、ではこの虎を絵から出してください。」一休は言った。
足利義満はこれに感服した。
ここまでが現代に伝わっている話である。しかし、この話には続きがあった。義満はこの後、本当に虎を屛風から出したのである。実は絵に擬態させて、本物の虎を隠していたのだ。義満は屏風を取り外し、虎を出した。
「さあ一休、虎を捕まえてみよ。」義満は得意顔でそう言った。
しかし、一休は見事な縄さばきで虎を捕まえた。それどころか、虎を手懐けた。そして一休は虎に、義満を襲うように指示を出した。
皆さんは不思議に思ったことがないだろうか。なぜ一休さんのお話は幼少期の頃のものしかないのか。なぜ足利義満の肖像画は坊主頭なのか。答えは簡単である。義満という存在は、一休さんに取って代わられたのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます