第6話 恋の始まり

ある日の音楽の授業中、詩乃はノートに文字をずっしり書いていた。

今は、音楽のプリントを班で取り組んでるのだ。

元々、ピアノを弾いていた詩乃は、プリントを速くに終わらし、詩乃のもう一つの趣味である、小説を書く為にノートをずっしり書いていた。

「なぁなぁ、詩乃〜。」亮平がひたすら詩乃を呼んだ。詩乃はノートから目を離さず「なにって言ってるじゃん。」と柔らかく返した。そんな詩乃の態度が気に食わないのか、亮平は詩乃の腕を掴んだ。「全く…どうしたの?」「詩乃って彼氏いないの?」「いないよ。三原くんは彼女いそうだけど」「俺もいねぇよ。」亮平はムッとした。詩乃はノートを閉じて「なにが言いたいの?彼女欲しいの?」といつもより、更に艷やかに呟き、目を細め微笑んだ。亮平は「俺が、彼氏だったらどう?」と詩乃を見つめた。詩乃は顔を真赤にして「バカ?!」と言い消しゴムを投げつけた。

「なにしてるんだよ。二人共」思わずと言わんばかり、宮西は声を出して笑った。


◇◇◇◇

「それは、詩乃が怒っても無理はないだろ〜」次の授業の間の休み時間。拓海は話を聞き、腹を抱えて笑った。

「三原くんは軽いよ。」詩乃は机に伏せた。

『俺が、彼氏だったらどう?』亮平の言葉が頭の中で繰り返され、詩乃は頬を赤らめ、心拍数を速くした。


◇◇◇◇


『俺が、彼氏だったらどうする?』部屋でゲームをしている間、頭に流れた。

詩乃の心拍数は更に上がり、そのままベッドに飛び込んだ。

「どういうこと…三原くん…」詩乃は高まる心拍数を押さえるように胸に手を当てた。

「私…三原くんのことが好きなのかな…?」詩乃はクッションに顔を埋めた。



自覚してしまった。私は、三原亮平くんが好きなのだと。





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