第四十話 番人の遺跡

街を出てから三十分が経った。


暗殺者は身体能力が高いため速く移動でき、ミナもルークに乗って移動したので俺らと大差ない速さで行動できた。べクトリアスも今になっては小さく見える。




「この辺でいいかな。」




俺は腕輪から自動車を取り出した。ソーラー式新型EV車で加えて俺の大剣に使われている紺鉱石もエンジンの一部にしているので大気中の魔素を吸収して走ることができる水陸両用山も荒地も空も走れる俺のマルチジープスポーツ型のキャンピング車。




「「おぉ。」」




エルとミナは驚きつつも物珍しさに興味を持ち目を輝かせている。


中は冷暖房効くので皆快適そうにしている。




「最初からこれを使えばよかったんじゃね?」




最初から使ってもよかったのだが国や都市部の交通の便や安全性を確認したかったというのが一番の理由だ。それによっては救助できる人の数が大きく変わるというもだ。




「なるほど。」


「それで、次は何処へ向かうんですか?」


「この距離から考えると交通網も入れて大航空エアタウンとか?」




缶ジュースを飲みながら聞く。




「いや番人の遺跡に向かうよ。」




エルは驚いて飲んでたジュースが気管支に入ってむせた。




「いや、確かに色々と準備を整えてきたよ。でも、流石にレベル高すぎない?地下階数も二人が思っているほど深いよ。」




知っている。深さは地下100階と予想されている。しかし今までに行けた階数は26階とされている。


理由は魔物のレベルが20階から最低平均Lv100となっていること、罠や地形が異形であることだ。


でも進まなければならない。この世界にはその遺跡含め計四つあり、それらすべてを完全攻略すると大樹大陸に“道ヲ示ス者”が現れて異世界樹バックルームツリーの真部に連れていってくれるとされているとべクトリアスで聞いた。


それか真実か偽りかは分からないが、それでも関わりがあるのなら行く。




「危険だとしても、行くつもり?」


「もちろん。怖いんだったらエルはエアタウンで待ってるか?」




エルは俺にデコピンしてきた。痛い。




「私は淳也君らに会ってから一緒に旅してきた仲間だよ?一緒に行くに決まってるよ。それにこの中でこの


世界のハンター歴長いの私だし、なめないでよね。」




ぷんぷん怒るエルがエルが可愛らしい。愛茉に寄せてしまうこともあるので余計そう思ってしまうのだろう。痛みが一瞬で引いた。




「ごめんて。」




エルと智一は呑気に漫画や小説を堪能し小さくなったルークは冷蔵庫の中にあったアイスを堪能している。


ティムした魔物である一定以上の大きさを超える場合体をある程度の大きさまで縮小できる。おかげで食事代が大きく増えることがないわけだ。あと目立たないしね。




(便利。)




しばらく車を走らせていると周囲から魔物が寄ってきた。

頭がワームで首から下が犬の魔物 パラサイトドックだ。


数は十 Lv平均は50である。

数匹が車に飛びつきかじりついている。




いくら丈夫とはいえ、傷つけられるのは嫌なんですけど。

この車についている装備:マシンガンと電磁シールドを使用した。


電磁シールドで周りについていた魔物を引き剝がし追ってきている魔物をセンサーカメラが捉えて射撃して討伐できた。


取り合えず武具の素材になる部分を全自動ではぎ取ってもらい、すぐに立ち去った。念のために火炎放射器で死体は焼いておいた。




「ハイテク...」


「「だろ?」」




その後も野原、草原から魔物が集まり攻撃してきたがなんとか一週間進んで目的地の近くまで来た。




目的地に着いた。全体が木に覆われ草花が生い茂り真ん中にピラミッド型の遺跡があった。



車を降りて、遺跡の目の前に来た。




(こういう所だからやっぱり入る条件があったりするのか?)




智一は疑問に思いながらも遺跡の扉に手を当ててみる。するとすんなり扉は開いた。




(なんか負けた気がする。)




誰も君と勝負した覚えはないよ。取り合えず進もう。


一階層から十階層 目玉蜘蛛アイズスパイダーやダークバット、中級小鬼ホブゴブリンの集団


ウォータースネーク、植物魔物プラントなど平均Lv40~60の魔物が現れて地形は洞窟・森林地帯のどちらかが続いた。


ルーク、ミナ、ユンタのレベルもそこそこ上がったので次のステップになんらく進めるだろう。


一旦水分補給休憩をとる。




「どう?今のところ大丈夫?」


「私は問題ないよ。」


「俺は問題ないぜ。ミナ達は大丈夫か?」


「はい。つい最近までいろいろとハードなクエストが続いてて体力がついたのでもんだいないです。」


「わうっ!」


「グルルル。」


「なんだか色々と巻き込んでしまって申し訳ない。」


「いいんですよ。私が好きでついてきているので。」


「ありがとね。」


「それじゃあ先へ進もうぜ。」

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