魔王の生活

闇影夜

第1話

魔王。あなたはこの世界からも

我々魔族からも必要ありません。

あなたの時代は終わったんです。

そろそろ世代交代。

だからあなたを求める魔族もいないでしょう

王の席はもうあなたのものではない。

あなたはここで消滅か、追放か、

選ばしてあげますよ。

我々はあなたにチャンスをあげようって

言っているのですよ。


ずっとお前たちは私を騙していたのか。

この時が来るまで何も話さず

私が察しないように普段通りに

振る舞っていた。

みな、私がよほど嫌いだったのだな。

そうか。仲間も信頼も既に

失っていたとは。私は悲しいぞ。


そうあなたに味方する者など、

もういないのですよ。

あなたの存在自体目障りの存在。

これでもうあなたの顔を見ないで済むのね。



大丈夫ですか?


ふふふ。魔族の惨めね。


そんなこと言ってはダメですよ。

傷ついてるのは人間も魔族も変わらない

のですから。


白い羽?まさか・・・な。


どうやら気づいたようですね。

良かった。ボロボロの状態から

回復するのに時間がかかったんですからね。


敵にこんな事してるってバレたら

裏切り者として処刑されるんじゃねぇか。


私は敵味方関係なく困ってるなら

助けたいだけですよ。

たとえあなたが魔王でも。

上級悪魔だろうと。

私の行動は変わらなかったと思います。


天使って悪魔を見下したり

自分満たしのおもちゃのように扱ったりする者だと。


中にはそう言った天使もいますよ。

私はそう言う事は好きではありませんが。


そんな考え方の天使もいるんだなー。

珍しい。変わった考えの持ち主って

言った方がいいのかなぁ。


うん??


あっ名前まだ名乗ってなかったな。

魔王シャランディだ。


私は治花(チカ)

チカエル・ヒーラー


チカか。うんいい名前だな。


私の隣にいる無愛想な子が

ドラッグ・ウォーター。

あだ名は薬。ドラッグだからクスリね。


って勝手に私の紹介すんな。

てか。

惨めなやつに私紹介しないで。

こんなやつに呼ばれたくない。


もう。そんな事だから勘違いされるんですよ。ごめんさい。私の友人では

あるんだけど。心を開く事はしない

タイプだから。


そうか。まぁこっちからは、

何もしない。恩人には手を出さないと

決めている。だがそちらが手を出す

と言うなら、話は別だが。


それなら大丈夫ね。

私達は基本的に、暴力行為さえなければ

そんな感情すらしないって決めてるの。


おいチカ。こんなやつほっとけばいいだろう

もう一人にしても大丈夫だろ。

あーもう。私はどうなっても知らないからな


クスリはあれか。人間の言葉で言う

ツンデレってやつか。


バカそんなじゃねぇ。っか普通にクスリ

っていうな。せめてドラにしろ。

こいつと同じように呼ぶんじゃねぇ。


なんかクスリは天使ぽくないよね。


余計なお世話。っかクスリはやめろ。

それで固定なのかよ。

なんか痒いだよ。お前にそう呼ばれると。


じゃクスリって呼び名は辞めるか?


いいよ。もう。


あーこれは。呼んでほしいやつだ。

素直じゃないやつ。


私達は今人間界にいる。


ここは人間が住む所なのか。

俺の居た世界とは違うようだな。


そうだね。街が変われば人も変わる。

私達は訳あって、元の場所には

戻れないの。だから。ここで普通の学生

として過ごしてる。

だからここにいる人間達には本当の名前は伏せてる。


俺が魔族だから特別に明かしたって事か。


そうだね。シャラ君にはそうした方が

いいと思った。


もう距離を縮めようとしてるし。

もしかしてあいつらって

互いに近いものがあるのか。

わからねぇ。あの二人の事。

なんか付き合いそうな雰囲気が

いつか出てきそうだぞ。

もう警戒すらしなくなってるし。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

魔王の生活 闇影夜 @yamikageyoru

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る