巨乳幼馴染とえちえちお姉さんが僕を取り合っているらしい

ナナシリア

巨乳幼馴染とえちえちお姉さんがちょっと険悪

 清々しい朝の空気が春人を呼ぶ。


 春人はぐっと心地良い伸びをして、玄関前で待っていてくれた幼馴染に挨拶する。


「優香、おはよう。待たせちゃったかな」


「おはよう、春人。わたしは全然待ってないよ」


 優香はそう言いながらはにかんで笑った。


 優香を幼馴染に持って良かったと、春人は心から思う。


 学校へ向かおうと優香が身体を反転させると、大きな胸がぼいんと揺れて、春人はいけないものを見たような気になって目を逸らす。


「じゃあ行こうか、春人」


 優香の言葉に、春人は視線を前へ戻す。


 冬だけあって、ゴミ出しをしている人たちも厚着をしている。


「優香ちゃんと春人くん、おはよう」


 ゴミ出しをしている人が厚着をしている中、異色を放つ薄着のお姉さんが、春人たちに話しかけた。


 彼女は、優香の家の隣にある春人の家のさらに隣に最近引っ越してきた大学生で、名前は河井陽菜。


 彼女は冬だというのに肩を露出していて、しかも生地の薄い白い服を着ているからか、黒色が透けて見える。下着だろうか。


 春人はまたいけないものを見たような気になり目を逸らした。


 逸らした先には優香の胸があった。大きい。


「陽菜さん、おはようございます。春人に下着を見せるために薄着なんですか?」


 優香は敵意を孕んだ視線を陽菜にぶつけ、鋭い言葉をぶつける。


「厳しい言葉だね。出かけるのに準備をするのが面倒くさかっただけだよ」


 優香は陽菜を睨む。


「優香、失礼だよ」


 優香は不服そうな顔でなおも陽菜さんを睨み続けるが、僕が優香の手を取って学校へ行こうと促すと、素直に僕について来てくれた。


 だが僕はなんと言えばいいのかわからず、しばらく沈黙。


 やがて春人たちに向かって手を振っていた陽菜の姿が見えなくなると、優香が真っ先に口を開く。


「春人、陽菜さんには本当に気を付けてね」


「だから優香、失礼だって」


「違うの、わたしは春人が心配なの……」


 しかし、陽菜は春人にも優香にも優しい。


 例えば、春人たちが暇しているときに自分の家に招き入れてお茶を振る舞ってくれたりするし、勉強を教えてくれることもあれば、相談に乗ってくれることもある。


「陽菜さんはいい人だと思うけど」


「いい人なのは間違いないんだけど……でも、春人が心配」


 先ほどから優香が繰り返しているその主張はどういう意味なのか、春人にはわからない。


「どういうこと?」


「なんて言えばいいんだろ……」


 優香はしばらく考え込む。


「とにかく、春人が身の危険を感じたらすぐ逃げてほしい」


「身の危険……?」


 春人はどうしても陽菜がそういう人には思えなかった。

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