危機一髪
けろよん
第1話
敵のアジトへと乗り込んだ俺達は危うい危機を乗り越えた。
「ふう、危機一発だったな……ん?」
「あ、いえ。何でもありません」
ミケは何か言いたげだったがすぐに前を向いて顔を引き締めて言う。
「とにかく、今がチャンスですよね。急いで行きましょう!」
「ああ……」
俺は疑問に思いながらもミケと共に、階段を駆け上がる。
すると――そこには、黒いローブに身を包んだ集団がいた。
その中央に立っているのは、何度も戦っていた俺のライバル。
「やぁ、待っていたよ。シンジ・コウサカ」
「……やっぱりお前か」
「ふっ、まあそう睨まないでくれよ。今日こそ君と決着を付けに来たんだからさ!」
そう言って、余裕たっぷりに笑みを浮かべる男の名前は、黒峰零児(くろみねれいじ)。
そして、その背後に控えているのは『異能者』たちだ。
「おいおい、これってまさか……」
「ああ、そうさ。みんな見せてやれ!」
零児の合図とともにみんな黒いローブを脱ぎ捨てた。そいつらはみんな禿げていた。
「危機一髪と言いたいんだろうが、そんな言葉は我らにはふさわしくない!」
「だから最初から言ってるだろう。危機一発だって!」
どうやらミケの聞き間違いではなかったようだ。ミケは安心してみんなを撃ち殺した。
「お前、何発撃ってるんだよ!?」
「一人一発ですが」
「なるほど」
こうして危機は去ったのだった。
危機一髪 けろよん @keroyon
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