毛利家異聞日記
@yukitaro-Japan
孤高の狼、誕生
第1話 とある一室にて
吉田郡山城
1555年7月
「失礼致します。先ほど殿が
「承知致しました。すぐに参りましょう。案内をお願いできますか。」
「はっ。」
近習の人はそう答えた後、私を連れて大広間へ向かった。
大広間に向かっている間、自分のこれまで起きた状況を整理してみる。私こと徳鶴丸は毛利隆元の子であり、最初は史実の輝元かと思ったが、1つ上に
それも当然だろう。何と言っても私は前世?いや、違うか。後世の歴史を知る2020年代を過ごしていた大学生だったのだから。そのような私が「
そのようなことを考えていると、近習の人が
「こちらに御座います。少々お待ちください。」
と言うと
「殿、
「そうか、大義である。通せ。」
そのような会話が交わされた後、私は中に通され久しぶりに父上と話すこととなった。戦があるのか鎧姿である父上に対し、私は平服し、
「徳鶴丸に御座います。父上のご壮健な様子に安堵致しました。」
と言うと父上も
「うむ。徳鶴丸も元気そうで何よりである。さて、御屋形様(大内義隆)の仇たる陶尾張守(
「真に御座いますか。ご武運をお祈り致します。どうかご無事にご帰還ください。」
「徳鶴丸も留守を頼むぞ。それと、ここだけの話ではあるが、尾張守(陶晴賢)を討ち取り父上と共に帰還した暁には
これは有り難い。戦国時代の常識なんてほとんど知らないからなぁ。母上から様々な書物を見せていただいたが、ミミズみたいに字をつなげて書いてあったため、ほとんど読めなかったこともあった。でも傅役を付けてもらえれば手習いもできるから本当に助かる。そう考えた私は
「忝う御座います。その時が来るまで一日も早いご帰還をお待ち申し上げます。」
父上も満足そうに
「そうか。その時を楽しみに待っておれ。今回の要件は以上だ。下がってもよいぞ。」
「はっ。それでは失礼致します。」
この後、私は又五郎さ・・・いや、又五郎殿の案内によって大広間から控えの間に戻った。さて、誰が傅役となるだろう。それを少し考えるのも楽しそうだな。
これは後に「出雲の狼」と恐れられる男の物語である。
<後書き>
という訳で始まりました。生まれて初めての小説『毛利家異聞日記』。色々と拙い点があるかもしれませんがどうぞよろしくお願い致します。ここからは作者のコメントを書いていきたいと思います。
1.毛利徳鶴丸
オリキャラと思っていらっしゃる方も多いと思いますが、実在しています。無名なのは幼いころに病死したため。主人公の雪山も知っているはずがないですよねw。
2.赤川又五郎
五奉行の一人である
3.母上
4.又五郎さ・・・いや、又五郎殿
何とか戦国時代の口調に慣れようと意識して頑張っている主人公。温かい目で見てあげてくださいw。
5.誰が傅役となるだろう。考えるのも楽しそう。
これは次話で書きます。この言い方がフラグです。皆さんも誰が傅役となるのか考えてみてください。
それではまた次回もよろしくお願い致します。
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