危機一髪
@curisutofa
目が覚めても終わらない悪夢
【ヒュンッ、ヒュンッ、ヒュンッ。ガキンッ、ガキンッ、ガキンッ】
【畜生。やっぱり駄目だっ!】
一ヶ月間に渡りボク達が暮らす故郷を包囲している敵軍の中に、根元魔法で空を自由自在に飛び回りながら、
【
故郷を守る為に
【
【はい。
【ヒュンッ、ヒュンッ、ヒュンッ。ガキンッ、ガキンッ、ガキンッ】
城壁からボク達が、背中を見せた
【
【【バシュッウッッ!】】
【【なっ!】】【【そんなっ。城壁が一撃でっ!】】
【逃げたければ逃げても構いませんよ。私が
城壁の一部を消し去った
【【うっ、うわあああっっ!】】
ボクの口から、今まで一度も叫んだ事が無い大声が発せられると、何も考えずに全力で逃げ出した。
【持ち場を勝手に離れるなっ!。故郷を守り】
【
背後からボクに向けて何かを話そうとした隊長の声と、さっき城壁の一部を消し去った根元魔法が発動した際と同じ音が聞こえたけれど。振り返る事無くボクは必死に走って逃げた…。
『はっ!』
『
全身に汗をかいて目覚めたボクは、
『あ、ああ。またあの日の出来事が夢の中で繰り返された…』
ボク達が生まれ育った故郷が攻め落とされて、
『あの日に死んでいた方が、楽だったかもな』
故郷を守る為に共に戦った民兵仲間だった彼は、
『生き残りはしたが、こうして商品として奴隷市場で売られるよりは、人間として死ぬ事が出来たあの日に死んでおくべきだった』
故郷を攻め落とされた後に、
『目が覚めていても、寝ていても終わらない悪夢が、続いているみたいだ…』
ボクの言葉に対して、元民兵仲間の彼も星灯りの下で無言で頷くだけだった…。
危機一髪 @curisutofa
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