96 月読の失恋

白石side


「キャーーー見て!!つま先にキスとかされてみたい。芦屋先生はプリンセスなんだわ!!」

「はぁー、いいなぁー。あんな恋してみたい……」

「絵になるわよねぇ、眼福すぎるわ。でも芦屋先生は男でしょ?……男よね?」

「「うーん?」」


 


 中庭に集まり、芦屋たちがいちゃついてるのを野次馬している生徒たち。相棒の定義は相変わらずおかしい。

 姦し娘は芦屋が思う通り、認識阻害の術が効いてねぇな。色気にやられてるし。

ここにいるやつは才能ありかな。名前だけメモしておこう、監視対象だ。

 

 というか、ここはため息のワゴンセールか?はぁはぁウルセェ。

まったく、衆目があるってんだから加減しろっつーの。

 


 

「芦屋さんのあの授業を、生徒はどこまで正しく理解できるでしょうか」

 

「それは神継になってからだろ。あいつが他者に評価されたくないってのが、マジなのは理解できた。

 まぁ、感情論抜きで仕事枠としての情報ならアレが最善だろうし」


 伏見は微妙な顔をしてる。

 俺にタメ語を許すくらい寛容なのに芦屋の事となるとこうなんだよ。

『自分は腹黒い』という発言を間に受ける奴がいるのが不満なんだ。


 しかし、あの複雑さ加減を正しく伝えて『本当に伝えたい事』だけを印象付けるには王道だろう。

授業は芦屋の心のうちを、全て省いて伝えている。目的が『いい人に見られたい』訳でも『先生として尊敬されたい』でもないからバッサリ切り捨てられたんだろうな。

 おそらくは、それも計算のうちだ。


 


「芦屋さんは、トメさんを正しく掬い上げるためにそうしたんです。

 腹黒いのではなく、覚悟を持って一生を支えていきたいと相手を心から思い、相手のために動いているからこそなのに。彼を知らない人が授業だけ聞いたら、打算的な人間に見えてしまうじゃないですか」

 

「伏見さん、甘いぜ」


 

 渡り廊下の壁の上に頬杖をつき、颯人さんと手を繋いで幸せそうに微笑む芦屋を見つめる。池のほとりに咲く小さな花を愛でて、ずり落ちた羽織をかけてもらって照れてんな。

 

 あいつ、学校に生徒としていた頃と笑顔が変わったよ。幸せを幸せとして受け入れられるようになったんだ。

幸せのあとに不幸が来ないってわかって、本当に幸せになろうとしている。


 そうさせてやったのは、颯人さんの功績だ。ビジュアルだけじゃなくて、心の底から羨ましい関係性だよな。

お互いを思い合う者同士だからできた事だ。



 

「白石、どういう意味ですかっ」

 

 ほおを膨らませた伏見が、脇腹をツンツンしてくる。

 この人本当にお坊ちゃんなんだよな。

胡散臭いし汚い仕事も知ってるくせに、何でスレてねーんだ?訳がわからん。


 

「芦屋は仲良くなる人を選定してる。俺が言った意味を正しく理解して、大切なモノを守るためにそうしてるんだ。

 あいつが見ているもんを、もう少し色眼鏡を外して見た方が良い。

トークスクリプトに芦屋の感情を足せば情報量が多すぎてパンクするし、生徒のやる気がなくなる。

 それに『大変な仕事だ』『やった結果はこうだ』『こんなに大変なのに、みんなができる方法がある。何だと思う?』ってあからさまに誘導してただろ」


「……そうですね、芦屋さんが今回言いたかったことは『サボるな、給料貰ってんだからちゃんとやれ』でした。」

 

「そそ。芦屋が目的を達したら伏見さん達が仕事が楽になる。そして、登仙を果たしてずっと傍に居られるって理解してる。

 だから後継が欲しいんだ。あいつは伏見達の事も大好きだろ。この国を守るのだってそれが理由だせ。誰がなんと思おうが、あいつはそれをやろうとしてるんだから。意図を汲んでやれよ」


 伏見さんと俺の間に鬼一さんが挟まって、肩を組んでくる。

何でニヤニヤしてるんだよ。



 

「お前も大切な奴の中に含まれてんだ。ちゃんと自覚しろよな」

「……そんなのわかってる。だからこそ必死でやってんだ」


 毎晩徹夜してたら芦屋にこっぴどく叱られたからな。夜はなるべく寝てるが、勉強量は受験の時より多い。

 あいつコンシーラーで隠してもすぐ見抜くんだ。めんどくせぇ。

俺は俺がもう一人欲しい。1日30時間あっても足りない。困ったもんだ。


 芦屋達を見ながら桃色吐息を吐く奴らの中に倉橋が混じってる。

お前、芦屋の事が本当に好きだな。



 

「倉橋くん、芦屋さんは計算高いだけじゃないよね?隠されていたけど、あの会話の中には芦屋さんの気持ちが確かに感じられた。

 そうじゃなければトメさんはあんな風に芦屋さんを好きでいる訳ないよ」

 

「そうでしょうね。芦屋さんは自分をすぐ腹黒いって言いますけど、授業をみてそう判断するなら神継の資格なしです。

 妖怪達や神様は頭が良いですから……回りくどい言い方をしたり、言葉遊びを仕掛けてくる方もいますし」


「ソダネ。自分の意思でその人の何かを測るんじゃなくて、その人がくれたモノを自分がどう受け止めるか、だもんね」


 


 倉橋がびっくりして加茂を見つめる。

 まぁ、そういうことだな。

 よくできた授業って訳だよ、俺たちが推しはかれるだけでこんだけの目的値なんだから、本人はもっとさまざま狙ってるだろう。あいつの頭について行くってのはなかなかハードだ。


 俺を散々試していた時も、必ず何かしらのヒントは与えていた。誘導ではなく、あいつのやり方は手を添えて自分で考えさせるんだ。

 

 その人自身を成長させるために言葉を吐いて、自分自身がどう思われようと関係ないってやり方なんだよな。

 芦屋の本意がわかる人を選定しているのは、長く働ける心持ちがある人を見極めるためだ。


 

 自己犠牲の精神がなくても自らを危険に陥れているんだが、その自覚はおそらくない。

 

 神継の深刻な人材不足。そして今後抱えていくであろう国の問題、難しい組織運営。

 それらを支えていくには逸材が要る。

現行の重役達が全員登仙していなくなるなら、加茂や倉橋のような人材が最低限のラインだ。


 人の造りはなかなか変えられないものだが、それをやろうとしてる。

 芦屋が見据えているのははるか先だ。

アイツは本当にやべー奴だ。ゾクゾクするぜ。


 


 刃の上を平気で渡って、切先で屈託なく笑ってんだぜ?痺れちまうよ。

 あいつは女の子だけど漢気がある。

 俺はそこに惚れてんだ。



(白石、トメさんの様子見てから高天原に行ってもいいか?合宿の施設と、出雲会議の打ち合わせして来たいんだけど)


 中庭で芦屋が俺に視線をよこす。歩き回るための靴に変えて、手を振ってる。

やめろ。嫉妬の視線の餌食だろ。

伏見が間近でジトっと見てるんだよ。


 

(スケジュールは問題ない。高天原の時間で三日がリミットだ。出雲との通信会議があるから後で合流する)

(うん、わかった。学食におにぎり預けてあるから、みんなで食べて)

(おっ!?やったぜ。ありがとな)


(独り占めしちゃダメだぞ?)

(努力はしてやる)


 


 苦笑いした芦屋と颯人さんが中庭から出ていく。

芦屋の手を恭しく取り、颯人さんは満面の笑みだ。

 

 高天原の出入り禁止が解かれてるし、あそこに行けば芦屋は神の姿になるからな。

 

 伊勢神宮参拝以降、颯人さんの目にハートが見える。

ほんとにどこまで我慢できるんだか……やれやれ。



 ━━━━━━



「まだ寝ないの?」

「ん……もう少し。鬼の居ぬ間に勉強進めてーから」

「真幸くんは鬼じゃないでしょ。天女だもん」

「まーな、そーだな、可愛いよなあいつ」


 

 自宅の机に齧り付き、眉間を掴んでしごく。そろそろ二日目くらいかな、高天原は。芦屋が居ない間にやっちまいたいことが山盛りなんだ。


 月読が頭を机の上に乗せ、口と鼻の間に鉛筆を挟んでじっと見てる。そろそろ一服するか…。

 机の脇にあるケトルの電源を入れて、お湯を沸かす事にした。


 月読が珍しく気を利かせて窓を開ける。……何企んでんだ?


 


「僕が何か企んでるから親切するって思うの、ひどくない?」

「今までの経験則だ。それで、何だよ」


 タバコに火をつけて、一息吸い、窓の外に煙を逃す。

その煙を目で追って、月読が口を開く。



「君はさ、真幸くんのこと好きだろ?」

「あぁ」

「でも、恋じゃない」

「そうだ」


「恋と友情の違いって、何?」

「また難しい話をぶち込んできやがって」



 月読を預かってから、まるで禅問答のように毎晩こんなやりとりをしてる。

 芦屋が言うように月読は子供だ。

頭だけが成長して、正しい思春期を過ごしてこなかったアダルトチルドレンのようなものかな。

 奥方もいねぇし、子供もいねぇからな。子孫繁栄が常の神々にしては珍しい部類だ。


  

 心と見た目がチグハグで、中身が無垢。優しくした芦屋が好きになっちまったのは仕方ないとは思う。

 あいつの優しさはある意味毒でもある。決まった相手がいるから猛毒だろうな。一度食らったらあっという間にお陀仏だ。

 

 芦屋は月読が恋と家族愛を勘違いしてると思ってるが、俺は間違いなく恋だと思う。ただ、片恋なんぞした事がないし自分の心の形がわからず混乱してるんだろう。



 

「恋っていうのは、返事が欲しい。友情っていうのは返事はいらない」

「……どう言うこと?」

 

「恋人なら好きと言い合いたい。だが、友情の場合は言葉にする必要がない。信頼しあった基礎があれば『信じてるぜ』なんて言わなくても背中を預けられる」


「恋でもそうじゃない?」

「そう言うパターンもあるが、基本的に友情なら相手も同じステージなのが常だ」

 

「それも恋と同じだろ」

「両思いならな。違うなら片恋だ」

 

「言葉遊びじゃないんだからさぁ。こう言うものの区別って結局その人次第じゃん。枠らしきものがあるのになんで全部に当てはまる事があるわけ?感情って本当に……はぁ」


 ふむ、なかなか成長したな。

 そろそろ次の段階だな。


 


 月読に向き直り、タバコを消す。

不満げな顔の月読にコーヒーを入れて、カップを手渡した。


「月読が言うことは間違ってねーし、正しく理解できてるな。

 大きな違いとしては、恋は自分が一番であって欲しい。友情は二番手でも三番手でも、それ以下でも何も問題がねぇ」

 

「僕は、それも恋と同じだと思うけど。僕は真幸くんにとっては少なくとも上位には居ない存在だよ。夫婦の中でも順位があるだろ」


「ふ、おまえさんの時代ではそうだが、現代は一夫多妻は無理だ。……一妻多夫か?この場合。

 俺は芦屋の寄る辺じゃない。それは颯人さんだけが持ってる物だ。

ある程度までは支えられるが、芦屋が全てを曝け出すのは颯人さんだけだ。

 もしあいつが夫婦という形を望んだとしても相手は一人だけだ。他は選ばれない」


「……それは、わかる」


 

「今日中庭でいちゃついてたろ?あれを見て、月読はどう思った?」

「やきもち焼いた。僕も真幸くんとキスしたいのに、できなくてモヤモヤした」


「そうだな、それが恋だ。俺は芦屋の笑顔が変わった、本当に幸せになる覚悟ができたんだな、良かったなって思った。これが友情」


 

「そう、だろうね。宴会の後に、真幸くんは『女の子としての望みがある』って呟いてた。颯人の子を、生みたいんだよ。もう夫婦と同じじゃんね」

「そう言う情報は黙っとけ。芦屋がキレるぞ?」

 

「うん……でも、真幸くんは本当に手に入らないって、ようやく理解した。

何もかもを許すのは颯人だけだって。

 妃菜ちゃんも飛鳥と結ばれて幸せそうだけど、僕はあんな風にはなれない。

あの子がすごいって、よくわかったよ。失恋してすぐに彼女は前を向いていた。……人前では泣いてなかった」


 コーヒーを啜り、ため息をついて目を瞑った月読は涙を流してる。

 あぁ、ちゃんとわかったのか。

 お前も一歩踏み出したんだな。



 

「すぐには無理なのが普通だぞ。鈴村だって立ち直るにも諦めるにも時間を要したし、傍に飛鳥さんが居たからそうなれたってだけだ。

 月読は告白して、振られて、それを理解できたところだ。成長してんじゃん」


「僕は、諦めるって言うのはまだよくわからない。真幸くんの姿を見れば恋しいし、颯人とイチャイチャしてるのを見るのは辛い。

 さらってしまえたらどんなに楽かと思うけど、好きな人の幸せを奪うのは凄く良くないとは思う」

 

「諦めなくたっていいんだよ。振り向くこともなく、触れられることもなく、心を通い合わせることもない人を想うのは俺にとっては唯一残された手段だからな、否定できん。

 俺は綺麗事は言わねぇよ『満たされない覚悟』が持てるなら片想いを続けたっていいと思うぜ。行き先のない気持ちを全てを抱え込めるならな」

 

「……」



 

 月読の視線の先には、机の上に唯一置いてある写真。そこには俺の好きな人が写っている。

 棺の中に収められた彼女を見て、写真の一枚も持ってないことに気づいて撮った奴だ。忘形見が死に顔とか、我ながら凄いよなぁ。


 お互いの意思で手を繋ぎすらしたことのないその人は、今はもう遠い。声も、匂いも、感触すら忘れつつある。


 


「満たされない思いを抱えて、それを解消したくはないの?辛いばっかりだろ?」

 

「解消しようがないからな。そもそも俺も片恋だ。辛いのはもう、感じねーよ。

 ただ、寂しさだけは残されてんな。声すら覚えてなくて……思い出したくても思い出せない」


 コーヒーに角砂糖を二ついれて、かき混ぜる。俺はブラックしか飲んでこなかったが、あの人はいつもこうして飲んでいた。

 共に過ごした記憶も断片的にしかなく、それをなぞることで自分の中の彼女を確立している。

 俺だって、女々しい男だ。


 


「新しい恋はしないの?直人はモテるだろ。雰囲気が柔らかくなって、学校の子達にも、神継の子達にも好意を向ける人がいる。

 君がそれに気づかないわけないし」

 

「前にも言っただろ?俺は二度と恋はしない。俺はもう、失いたくねぇんだ」

「恋して、結ばれて、あの二人みたいになれば失わずに済むじゃないか」


「恋は必ず叶う物じゃねーよ。それに、結ばれたって別れる事もあるし、死に別れるだろ。俺はアイツの専任助手になるんだよ。永遠の三番手として芦屋のそばにいるのが第一の目標」


「三番……颯人、伏見?」

「そ。あの人達は最初に出会って、芦屋が命を預けてもいいと本気で思ってる人だ。

 俺はまだそこに達してはいないし、出会ったのは最後だからな、一派の中では。眷属は家族だから魚彦達は別枠だ」

 

「三番手なのは確実なの?」

 

「あぁ、間違いねぇ。あいつの線引きはわかりやすい。困った時、最初に声をかけるのは伏見さん。普段の生活については俺。永遠の一番手は颯人さんだ」


「それでいいの?仙人になったら、簡単には死ねないよ。ずっと三番手でいいの?」



 

 空になったコーヒーカップを握り締め、肩を震わせながら聞いてくる月読は、どこか優しい目の色をしている。

 俺の事気遣うなよ。自分に必死なくせに。そう言うところ、神様ってやつは始末に終えねーな。



「三番手は、その地位を失うことはない。相手が芦屋だから。アイツは俺が人を殺したとしてもそこから引き摺り下ろしはしない。永遠にそこに居座れるのは俺が友だからだ。恋人を狙ううちは、番付に上がれねぇよ?」

 

「たしかに、そうだ。たしかに……」


「人の心を手に入れたことのない俺なんかがさ、颯人さんに対しての悩みも聞かせて貰えるんだぜ?」

 

「あ……」


 

「わかるか?三番手なのに、一番手が知らないことを知れるんだ。

 その上ずっとそばに置いてもらえる。芦屋に大切にされて、心配されて、甘やかされる。サイコーの地位じゃねーか。

俺はこの地位を手放す気はねぇ。死んでたまるかよ。こんな居場所を手に入れたのに失うなんて、それこそ考えたくもない。絶対にいやだね」


「ふーん、なるほどね。ふぅん……」


 何度かうなづいた月読が近づいてきて、ぽすっと頭を預けてくる。

甘え方がガキンチョだな。だから芦屋に息子扱いされてるんだぞ?


 


「言葉にするより、感じいる方が成長出来るぞ。」

 

 ポケットに入っていたイヤホンを片方自分に刺し、反対側を差し出す。

俺を真似てイヤホンを耳に差し込んだ月読が首を傾げた。



 これをやるのは、久しぶりだ。

 俺の好きな人にしか、したことねぇんだぞ。芦屋にだって、まだしてない。


 スマートフォンから、俺が散々聞いた曲を流す。失恋ソング特集のトップを飾るのは、大切な人を失った人が、その人を思って生きることを歌った歌だ。



「……」

 

「飽きたら外して寝ていいぞ。お前さんを顕現する練習もしておかにゃならんし。俺は勉強に戻る」

「うん……」



 さて、今日の復習を先にやっとくか。週末は高天原で出雲の事前打ち合わせがあって勉強してる暇がない。

 

 そうだ、姦し三人娘の素性をもう少し深堀りして調べなきゃならんから、伏見の隠密に連絡しないと。

 

 それから、芦屋たちの家の周りに作った迷いの杜の確認、仙人になるための修行の日程を組んで、芦屋が選んできた事務所の雑居ビルの内見……あっ、そうだ。納税の話を高天原でするんだった。あぶね、忘れるとこだった。

 

 メモ帳を取り出して書き込んでいると、月読が角砂糖を二つ入れてかき混ぜる。カップを掲げて、目線が合う。


 なんだお前、おもしれー奴。

 苦笑いと共にコーヒカップを合わせて、甘くて苦いコーヒーを飲み込んだ。


 


「……ぐすっ、いい歌だね」

 

「失恋しなきゃこういうのは書けねぇよな。傷を癒すのも、前を向くのも音楽が一番だぜ。その人の思いが自分に重なるから、傷口がよく見える。傷を見なけりゃそれを癒せもしないんだ」

 

「……うん」


 静かに頷いた月読が膝下に顔を押し付けて、涙のしみが広がる。

泣けるって事は、事実が認識できたって事だ。ちゃんとした失恋になりそうだな。


 月読の頭を撫でながら、スケジュール帳に書き記す。


「月読の失恋記念日」と。

 


  

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