幻魔大戦

ネオまさよし

魔の布告

第1話


 静けさが漂う…黒空の超高層ビル群ビルの形は周囲の暗闇と同化して窓灯りだけが無数に浮かび上がる。


 人口が一極集中する首都東京の夜…静けさは遠くから眺めている分だけの静寂な夜…新宿はこの静けさを知らない眠らない街…ビルの形を象るよう紅洋燈が煌々点滅を繰り返す…


 この都会で直下型がいずれ来る…皆わかってる…それでも…首都東京の日本一をかけたビル群の競争は続いてる…大阪から東京に日本一が変わる…富と幸せを追求する経済は虚しい。


 経済遷都…首都機能分散は破壊の後にやってくるのか…かつての古代の日本がそうだったように…


 誰も居ない幹線道路の一角…東京の深夜…時として…車も誰も通らない時間帯もあるようだ…一人の占い師が黒ずくめのマントを全身にまとい 奇妙な動きで叫んでいる老婆だが動きは軽やか…日頃の鍛錬か…いや老婆に見える中年の女性なのかも…いやいや…もっと若い…そんなはずない…年齢不詳だ…


その占い師は訴えてた。


「幻魔が来る…忍びよってくる…全ては終わる…」


…軽やかなスッテプ…奇怪な動き…


「ほぉ…ぉ…ぉ…定めじゃ…」


その老婆はそう告げて…ふと消えた…終末を占う…占い師にはもう現実のものとして可視化してるのである。


表と裏 陽と陰 光と影 天と地と 天国と地獄 

繁栄と滅亡 物事は表裏一体で鎖の如く繋がってる。


鎖が人々の心のあり様で腐って腐敗していく。

そう心が濁りかけると鎖も錆びて劣化するのだ。


幻魔はそんな所に忍び寄るのだ…


宇宙を漂う隕石は徐々に青く輝く生命が脈打つ星 地球に接近しつつある。


魔界による布告である。


大気圏に突入した隕石は一部は破片となり上空のジャンボジェット機に衝突した…爆音が轟く。


粉々となったジャンボジェット機は微塵となって墜落した。


この広大な宇宙では地球に似た星が無数にある。


人類(ホモ・サピエンス)が繁栄をした。

その繁栄も別のサピエンスが滅亡を繰り返し…多種類あったサピエンスは現在唯一のホモ・サピエンスとなり地球に君臨する。


そして何光年先にもまた 同じ種族は必ずいるのである。それが進化の過程でホモ・サピエンスのさらに上 ホモ・サピエンスの繁栄が終わり 次の新しいサピエンスは機械と生命が融合したアンドロイドとなり破壊者の魔の手から戦っているのだ。


進化の過程は幸せの追求でもある。

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