朝
休日をだらだらと過ごすのは全く問題ない。
俺も休日はだらだらと過ごしたい派だ。
しかし現在俺は高校2年生。つまり、学校のある時はそうも言ってられない。
遅刻ばかりはいろいろ内心点に響く。
ということで、一応今後のことも考え俺はそこそこ真面目に学校生活を送っているのだが――。
「――すぴーすぴー……」
「……」
これは幼馴染の宿命なのだろうか?
単に家が隣ということで、いつの間にか俺は幼馴染で同級生の真由を起こす。ということが日課になっていた。
普通は勝手に。それも寝ている時に男の俺に自分の部屋に入られたくないと思うのだがね。
いつの頃からかは忘れたが。多分――小学校の集団登校?の頃からだろうか?真由は朝弱い――らしい。起きれないから起こせ。ということを毎回真由が言っており。お隣さんの特権というのか。俺は裏口から『おはようございます』ができる。
それに真由の家と俺の家の両親も仲が良いため気が付いたら裏口同士に屋根が付いていたりと。雨が降っても。夜でも行き来可能。鍵もそれぞれの家が持っているため24時間365日出入り可能。と、謎なことになっていたので、毎朝起こしに行くのに特に問題がないというか。勝手に入れるため――気が付けば日課になってしまった。
そして今の俺はかわいいぬいぐるみと小物にあふれている見慣れた部屋。真由の部屋に立っており。ベッドで爆睡中の真由を見ている。
一応優しい俺はカーテンを開けて朝日を室内へと入れてやったので、起きる人はこれで起きそうだが。真由は起きない。
大変気持ちよさそうに寝ている。朝日が顔に当たろうと起きる気配は――いや、いつもの事なので寝ているというのか。これは――。
「――あと15分で家出る時間だぞ」
これ事実。
「――にゃむにゃむー。まだ15分もあるなら余裕ー」
「……」
俺が声をかけるといつも返事はするので――起きてはいるが布団から出る気がないだけである。
ちなみに春夏秋冬。季節関係なく朝は丸まっている。
「じゃ、起こしたからな。俺は行く」
「えー、起こしてよー」
もぞもぞと布団の中へと入線しつつ何やらいう真由。これもいつも通り。動く方が逆だ。
「――起きているのに起こしてはおかしいだろ」
「――すぴー」
嘘寝のプロ?いや、バレバレのことを飽きずに毎日する馬鹿。
ちなみに以前このパターンで布団を引き抜いたら『寝ている素振りしつつ着替えをしていた』という、なんか難易度の高いことをしていたこともある。
そうそう、着替えを見るくらい?というと真由もかわいそうだが。こいつ基本俺の前ではすっぽんぽん以外はOKらしく。下着くらいは見られても何とも言ってこない馬鹿でもある。
あれは……朝から何を見せてくるんだ――。だったな
「――じゃ」
ということで、今日の俺は声をかけたし起きていることも確認したためそのまま真由の部屋を後にした。
そして玄関で真由のところの両親に『行ってきます』を言って1人で出発。
……いや、いろいろおかしいよな。なんで自分の両親じゃなくて、毎朝幼馴染の両親に挨拶をしているのか。
ちなみにちゃんと自分の家を出るときに両親にも挨拶はしているので。
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