赤毛のアン
ネオまさよし
第1話 赤毛の少女
西暦一八七〇年代のお話しである。カナダ本土から蒸気船の連絡船に乗ってプリンスエドワード島へ向かう一人の少女がいた。カナダと言っても国土はかなりの広さがある。地理上ではアメリカニューヨークの上数千キロに小さな島としてプリンスエドワード島は存在した。日本では愛媛県と同じくらいだろう。
蒸気船に乗っている少女はおよそ十歳前半で焦茶のセーラハットにクリーム色のワンピース姿だった。
一目見る限りではその姿服装は上流社会、地位がそのものではない一般より低い容姿が見受けられるが、今日の長い旅路に置いては、普段とより一層な格好を努力してされている感じがある。少女はその努力を惜しまない。
蒸気船の甲板に立ち進行方向に流れる風を身体で感じ取って景色を眺めていた。
黒鉄の煙突からは白煙が風に乗って流れ、これからの彼女の人生を煙の如く例えて薄ら静かに空気と混ざりあうかの様に、そして少女もまた新たな出発を新しい出会いを良き混ざり合いで焦がす事ができるよう訴えてる気がした。
不安と期待そして希望をアンは抱いていた。アンにとって希望が遥かに上回った。蒸気船にはアンだけではなく他の年齢の方が千差万別に乗船して互いに甲板で会話をしている。
連絡船には幾多の希望や失望も多くの想いがこの船には積まれているのだろう。やや病気がちの人もいれば、健全でビジネスを成功させようと意気込む人もいる。ただ彼女は安らかな安堵の地があることを日々夢見ながら、この船に乗ったのである。
物語はプリンスエドワード島のグリーンゲイブルズと言う街に住んでいる中年のカスバート兄妹が孤児院から男の子を譲り受けることから始まる。男の子を譲り受けるというのがあくまでも目的であって決して女の子ではないのであった。
はて物語が進むにつれその問題は表沙汰になるが、少女の運命はすでに決まっているのだろうか。先々がやや薄ら暗さが掛かってきたようだ。
街自体は賑やかさで包まれているのではなく、村と言う表現が妥当だろうが、村中の者たちは、皆お互いを良く観察し合って、互助の精神が皆を繋げていた。
村は河や草原や小動物も多く生息してる緑が繁ってる土地である。
その兄のマシュウは馬車で普段から着慣れない晴れ着姿でブライトリバー駅に向け男の子を迎えに行く途中だった。馬車は舗装してない道をゆっくりと淡々と進む。馬車と言っても屋根付きでない小さな馬車だ。
馬車が通りすがる最中。街に住む婦人が二人道端で世間話で花を咲かせていた。マシュウの表情は若干引きつくのであったが、なにせこの方、毒キノコの様な者が苦手だ。毒キノコと言うのは比喩でありマシュウにとってそう感じるのだろう。マシュウは人前が苦手だし、さらに輪をかける様に女性が苦手で子供の女の子でさえ同じである。六十歳になる今日に至るまで独身を貫いたのもそれが原因だろう。
その妹のマリラも結婚もせず変わり者の兄の面倒を見てグリーンゲイブルズに佇むニ階建の家をきりもみしていた。食器を食器棚から出し孤児院からの男の子の受け入れの準備で忙しいくしていた。
さてこの二人に待ち受ける現実とそして決断をすることになるが、その決断が大いなる人生の宝になる事をこの兄妹は、まだ知るよしもない。
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