爆弾魔

ラック

_0.Prologue__

日が沈み、色付き出したネオン街。

もう夜が始まるというのに俺は独り、ビルの屋上で街を行き交う人の群れを眺めている。


今日はやけに騒がしい。

ここ数日間、この街を上から眺めているが今日ほど騒がしい日はなかった。

サイレンの音が鳴り響き、人々のざわめく声が屋上まで聞こえてくる。


それにしても、隣のビル周辺にいる人達は暑くないのだろうか。

辺りに貼られた規制線の外側に居る人や近くを通りすがる人。一番近くに居る消防隊員もそう。

ビルは半壊し轟々と燃え、火の粉と煙を撒き散らしているのに、よくそんな近くに居られるものだ。


俺も相当近くに居るが、好奇心でこれを見に来てる野次はどうかしてると思う。

喉の奥まで焼かれそうな程の熱気や熱い煙が立っていて、普通の人ならすぐに離れていくだろうに。


誰かがこちらを指差している気がする。

もう少しこの光景を眺めていたいけど、そろそろここから離れよう。

下に群がっている警察のお世話になるのは御免だ。

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爆弾魔 ラック @Rack_cat

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