どれが現実なのか
川向こうのジェロ吉さん
第1話 見知らぬ女と本命の女!
朝だ、ベットで目が覚める、隣が暖かい。
「全く、何で女が隣で寝ているんだよ、中々起きられないじゃないか!」
昨日は銀座のダンジョンを潜って、そこそこのお金を稼いだので、その勢いで、飲み歩いたのは覚えている。
その後は、自分でも何処を歩いてホテルに帰ってきたかわからない。
そしてスマホのスイッチを入れると、メールが届いている事が分かる、光が光っている。
中を見ると、今何処にいるかと催促の彼女からのメールだった。
隣のを見ると、女は髪が長い、俺の彼女は長くても金髪なので此処で彼女じゃない事が分かる。
(さてどうする、起きてシャワーを浴びてから考えるか、それとも着替えて逃げるかな)
まあシャワーを浴びる事にした。
しかし、誰が寝ているのだろう?
シャワーを浴びて、着替えて女を起こす。
「もしもし朝ですよ、起きてください。俺はもうチェックアウトしますよ」
女の耳元で声をかけると、女が振り返りこちらを見て慌てて布団をかぶる。
「あの先に出ますので、料金は払って置きますので後から出てきてください」
すると女は、布団の中から声を出して話しかけてくる。
「あゝあのう〜、昨日の事は覚えてませんの、結婚の約束をしてホテルに誘ったくせに、まさか逃げるのですか?」
何の事をこの女は言っているんだ! 結婚の約束なんて?
「私の事を好きです、一目惚れしました一緒に成りましょうって言いましたよね、さだまさしさん!」
えっえ、何故俺の名前を知っているんだ?
「住所は、足立区舎人・・・・・・ですよね」
住所まで知っているのか、なぜか背中に汗が流れる。
「電話番号も言いましょうか、メールアドレスも一緒にね!
携帯の番号は090-☆☆☆☆-¥¥¥¥よね、アドレスは☆%♪〒〒〒¥¥@¥〒☆☆☆.conよね」
言い終わると、女は布団から顔を出して俺に顔を見せる。
だが俺には見た事の無い顔だ。
「今シャワーを浴びてきます、着替えたら食事に行きましょう」
言うと女が風呂場に行った、俺はただベットの縁に腰掛けて、逃げるかどうするか考える。
名前も住所も、まして携帯の番号やメールアドレスも知られている。
ピンポンピンポン携帯の音が鳴る、この音は彼女からの電話だ。
しかし此処で出て、もしあの女の声が携帯から彼女の耳に入ったら、俺の命が危ない。
でも、メールも返してないし、出るしか無いよな。
恐る恐る、携帯のスイッチを押す。
「もしもし、何ですぐに出ないのよ、メールも返信をしてこないし!
今何処にいるの、都内よねサーチするから覚悟してね」
ガチャ、電話を切られる。
まずい、あいつの携帯には俺が何処にいるかの位置情報が分かる契約をしている。
結婚するから何処にいても良いように一緒に契約してしまった。
昨日は電源を落としていたので、サーチ出来なかったみたいだ。
そして、風呂場には、見知らぬ結婚の約束をした女がいる。
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