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  •  私は春秋から三国時代までの古代中国についてはまあまあ詳しいのですが、唐代は専門外になってしまうのでやや怪しいです。
     ただ、その書簡のやり取りに関しては、昔調べたことがあります。


     韓愈は儒教を復興することを第一の目標としており、そのために排佛論を唱えていた人物です。

     しかし、詳しいことは忘れましたが、彼は他の論者との論戦で負けたりして、結構苦しい立場に置かれていたのですね。事実上の敗北を喫したと言っていいです。

     その頃に、韓愈が仏教の礼服か何かを着たという噂を聞いて、孟尚書という人物が心配して、「韓愈さん、もしかして仏教に転向したの?」と手紙を書いてよこしました。それに対する返信がその文章です。

     その内容についてざっくりいうと、仏教の服を着たのは、今付き合っている人物に対する儀礼上のものに過ぎない。自分の心は今でも儒教にあるし、排佛論は捨てていない、という内容になっています。

     ただし、「現状における儒学者たちの立場は非常に厳しく、一本の髪で重いものを引いているのと同じような状況だ」と言っているくだりがそこです。

     つまり、仏教などの外来の宗教のせいで、唐における儒教の立場が非常に危うい、と言っているわけですね。

     今の危機一髪は「ぎりぎり助かる」という意味で使われることが多いですが、もともとの意味としては、「もうほぼ無理」という、かなり絶望的な意味として使われています。

    作者からの返信

    涼格さん、こんばんは。
    きのうに引き続きありがとうございます。
    辞典の出典の箇所だけだと、文意がよくわからなかったので、非常に助かりました。
    (説明すると長くなるから、辞典の説明がそっけないものになっていたのかな)

    いや、勉強になりました。ありがとうございました。