　かつてハッカーの帝王と呼ばれた赤木加奈子（あかぎかなこ）の所に、ミステリアスな女・桜木貴子（さくらぎたかこ）が巨額金強奪計画の話を持ってきた。かつて東武警察署の極秘作戦『クラゲ作戦』で残った裏金5億をハッキングで奪おうとする謎に満ちた冷徹な男・長篠春馬（ながしのはるま）。釜川ってドブ川の畔で刺されて殺された大物ハッカー、麻衣の事件を追ううち、かつてその手で逮捕した加奈子にたどり着いた東武署刑事課の桝屋康夫（ますややすお）捜査官。その事件が元で性悪な元夫に愛娘、蘭子（らんこ）の親権を奪われ接見禁止にまでされてしまった加奈子は、蘭子を取り戻すため、予測不能の罠にはまっていく。

「赤木さん、私たちで5億の裏金を手に入れませんか？長篠春馬にはまかせて」

　加奈子の家は宇都宮駅近くにあった。リビングのソファーで話した。

「警察に捕まえられても知りませんよ。私には重要な理由があるの」

　桝屋康夫は、釜川で殺された大物ハッカー、麻衣の事件を捜査していた。捜査の過程で、加奈子の関与が浮かび上がり、彼は彼女にたどり着く。

　桝屋は加奈子とキッチンで喋った。

「加奈子、お前にはどんな事情がある？釜川の事件はお前が知っていることが多いはずだ」

「私もあなたと同じ目的で動いている。蘭子を取り戻すためだ」

　蘭子のIQは普段は80だが。悪夢を見ることで190まで上昇する。

　知能指数（=IQ）は、一般にIQ85-115が「平均的」とされている。おおむね70以下は、「知的障害」の可能性が考えられる範囲だ。

　加奈子は、裏金の誘惑と蘭子の親権を取り戻すという欲望に囚われ、長篠春馬の計画に巻き込まれていく。しかし、彼女は予測不能な罠にはまりつつも、自らの過去と向き合うことになる。

　加奈子は宇都宮城地下に眠っているという『F』というロボを探っていた。加奈子はつくばにある研究所で働いてる貴子の元を訪れた。元夫はコロナで瀕死に陥ったが、地獄に堕ちたときに様々な魔法を覚えて、こっちの世界に戻って来た。噂によると徳島にある警察署を地震で倒壊させたって話だ。『F』を強奪し、元夫と戦い蘭子を奪い返す段取りだ。

「この計画で蘭子を取り戻せるのか…でも、本当にそれが幸せな未来なのか…」と、加奈子。

「選択は君次第だ。ただし、後戻りはできない」と、貴子。

　加奈子は選択を迫られ、長篠春馬と共に裏金奪取計画に挑む。しかし、それが彼女にとって救いか、それとも新たな苦悩を呼ぶものとなるのか。予測不能な運命の分かれ道が物語を締めくくる。