Ⅱ
夜。男と女は列車に揺られている。ぼんやりと窓の外を眺めている男の横顔を、女はどこか疲れた顔をしたままじっと見つめている。
「どこまで行くの」
「さあ?」
心から関心がなさげな男の声に、女は溜め息で応じたあとも、視線を逸らさない。
列車が揺れている。
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