大晦日の夜に起きていなかった話
卯野ましろ
大晦日の夜に起きていなかった話
もしかしたら、私の2024年は罰当たりなスタートと思われてしまうかもしれない。
2023年、私は大晦日の夜に年が明ける前に寝た。いつもなら年明けを待って起きていたが、今回は寝ることにしたのだ。なぜなら、深夜二時から見たい特番があったからである。その特番は毎年のように放送されている。前回、私は番組の放送中に寝てしまった。録画もしていなければ、見逃し配信も見られなかった私。私は「大丈夫、起きていられるだろう」と油断していたことを、ものすごく後悔した。そんな経験があったので、私は2023年の大晦日は深夜二時まで仮眠をとることにしたのだ。ちょうど疲れて眠くなっていたので、私は迷わず夜の十一時前くらいに寝た。
その結果、私は深夜二時前に起きることができた。安心した私は早速テレビをつけて、お目当ての番組が始まるのを待った。ちなみに録画もした。見逃し配信がない、と公式の発表があったからである。
しかし、その後「なぜ大晦日は寝ずに年が明けるのを待つのだろうか」と気になった私。そして私はスマホを取り出し、それについて調べた。すると私は「うわ、どうしよう」と新年早々ネガティブになってしまった。検索した結果、神様がどうこうと書かれている記事ばかり出てきたからである。私は神様よりも、見たいテレビ番組を優先してしまったのだ。もしかしたら私の2024年は、ひどい年になってしまうのでは、と怖くなった。
だが、すぐに私は「でも自分以外にも、そんな人たくさんいるだろう」と思った。すると「まあ年越しそばも食べたしな」「参拝もするから大丈夫だよね」と徐々に明るい方向へと考えが変わっていった。これで新年早々の不安が解消された……と思いきや、まだまだ話は続く。
何と私は、特番の放送中に寝落ちしてしまったのだ。目を覚ましたときには、もう番組は放送終了していた。録画をしておいて正解だったが、これは年神様に失礼なことをした罰なのだろうか。だとしたら軽いものなので、私は年神様に「これで許してくれるということですよね? ありがとうございます! そして、ごめんなさい!」と言いたい。「自分以外にも大晦日の夜に寝ている人はいるだろう」と考えるようになった私は、一体どこへ行った。
そして年が明けてから私は、初夢や参拝のやり方を調べていた。おみくじの結果やメッセージも気になっていた。年神様を気にしていなかった私だが、そういうことからは離れられないようだ。
※読んでくださった方の中には、体調不良や用事など、どうしても大晦日に寝なければならなかった方もいらっしゃるでしょう。主に大晦日に寝てしまった方々、もし不快に感じられたとしたらすみませんでした。
大晦日の夜に起きていなかった話 卯野ましろ @unm46
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。