第1章 第6話 翔ける閃光
剣が衝突する。
魔法が激突する。
まるで意地と意地のぶつかり合いかのように、互いの技を倒すべき相手にぶつけ合う。あまりにも高レベル戦いに、既に理解が追いついていない人が増えてきていた。
「はぁぁ!!」
「せやぁ!」
互いの鬼迫が増す。コロシアムの温度は灼熱に近いほどまで熱されていた。実力は互角。のように見えているだろう。一方的な戦いになっているのに。
再び同時に地を蹴る。綺麗に煌めく水色の魔力を纏った少女の剣と、飛び散る水の雫を纏った少年の剣が丁度中央でぶつかり合う。
心地よい金属音と共に激しい衝撃波が空気を揺らす。もう何度目かわからないそれは、戦いの熾烈さを強烈なまでに表していた。
「いつまで続くんだ?」
「わからねぇ。どちらも互角だからな……」
「う〜ん。でもよ、莉音とかいう子、あんな髪色してたか?」
そんな会話を聞きながら、1人の少女が一種の恐怖を感じながら戦いの果てを探していた。
「わからない……あの子の底が、見えてこない……このままだと、将、危ない……」
白夜学園の序列2位、
そんなことはいざ知らず、再び距離を取った2人の戦いは、ついに決着がつこうとしていた。
「はぁ……はぁ……くそっ……」
「あれだけ大口叩いといてこんなもん、か。所詮は学生って感じ」
「お前、一体何者だ?……はぁ…はぁ」
「さぁね。とっくに忘れちゃったよ。でも、ここまで粘ったのは君が2人目かな。ご褒美にいいもの見せたげる」
その刹那、少女の髪の毛の煌めきが強まった。これから何が起こるのか、不敵に笑っている少女以外誰も分からなかった。いや、分かるはずがなかった。
「さぁ、覚悟しといてね。あと、ちゃんと覚えといて。人生で見られる最初で最後の瞬間になると思うから」
その言葉が聞こえたと思った直後、一筋の閃光が翔けた。まるで時が止まったかのような感覚に、苺は畏怖し、その他の観客は何が起こったのかわからなかった。ただ1人、須藤 心を除いては。
「今のは……魔剣?」
再び時間の流れを取り戻した世界で、コロシアムに立っていたのはただ1人。その少女の水色に煌めいていた毛が元の色を取り戻した時、会場からほとんど爆発音のような拍手の嵐で満ちた。
「まさか……そんなことが……」
そんな中、遅まきながらひとつの答えにたどり着いた心以外の執行部の面々は驚愕を隠すことなく1つの名を口にした。
───第二魔剣「
と……
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