第2話

 「お、よく見たら君も中々だね。」


「えっ何がですが?」

俺の体を見ている。


「もしかしたら君もドMかな?」


何を言っているんだこの人は?


 「おっ今の気持ちのいい視線、どうやらそうでは無いようだね。」

 俺、今引いた目をしたのですが??


 「とりあえず、応急処置はしなくて大丈夫だよ。心配してくれてありがとう。俺は今最高に気分がいい。」


「はぁ」


「うん?やっぱり君さ。同士な感じがする。」


勝手に仲間反対を受けている??


 「もしかしたら俺を超える逸材になるかもしれないな。」


何のことです?いや分かるけど。いや分からないけど。分かりたくないけど。


 「おっ君、分かりたくないって思ったね?」


  エスパーか


 「そして、いま当たってると思った顔。」


いや誰だってそう思うよ。


 「誰だってそう思うよ!と君は思っているのだろうけど、君はきっと理解する。やはり君は同士だ。」


やばい逃げたい。


 「おー!いいねその引いた目つき!」


 不思議だ。

もう嫌だこの人と思っていると同時に俺もこんな風に少しでもなれたら今から変われるのかなと思ってしまった。


 「そろそろ帰りたい、君に一つ教えてあげる。」


そして、その人は真面目な顔をする。


 「どんなに虐められてもどんなに辛くてもドMになればそれが全て反転し娯楽と変わる。」


思わず息を呑む。


 「誰だって辛いより、楽しいや気もちぃいの方が良いだろうから。君ももし、今が辛いなら俺みたいになることをオススメする。」


 

 そして、俺はぞくっとした。

 今の話を聞いたことにより、何かが脳が動いていることがわかる。


 俺は西宮さんの小悪魔の顔を思い出す。


 「おー、どうやら今の君は、すでにそのきっかけとなる経験があったようだな。」


 俺はあの時、可愛いと思うより胸が高まった。


 「どうやら、俺はここまでのようだ。さらば!新たな同志よ」

 

 やばい、やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばい

 

 俺は幸せだったんだ。


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