関西に引っ越してきた隣の彼女は元お嬢様の貧乏人でした。

いなかのひと

第1話 転校

ケンちゃん!また大人になったら会いに来るからね!

そう言って泣きながら去っていく女の子。

当時幼稚園児だった俺はどうしたらいいかわからずいつまでも泣いていた。

女の子が見えなくなってもずっと・・・


---12年後---


高校生になった俺、霧島ケントは毎日退屈していた。

ごくごく普通な日常。彼女は居ないが友達はそこそこ。

特別なことも何もなくただただ毎日退屈していた。

そんなある日、二年生に進級したケントは今日もいつもと変わらずぼーっとしていた。

今日も変わらない一日になるかと思うと何故かため息が出た。

変わらずぼーっとしていると先生が入ってきた。

先生「おはよー。今日は転校生おるから紹介するわな~」

そう言うと教室に一人の女の子が入ってきた。

綺麗な黒髪に白い肌、顔は小さく周りの男子は皆見惚れていた。

女の子「はじめまして、田中亜美と申します。昔この町にいて父の転勤でこの街に帰ってきました。色々とご迷惑をおかけすることも多いかと思いますがよろしくお願いいたします。」

そう言い終わると先生から「後ろの空いてる席に座って~」と言われた彼女はすたすたとケントの隣の空いた席に近づいてきた。

亜美「よろしく。ケント君。」

ケント「あ、ああよろしく」

いきなり喋りかけられて動揺していたがすぐに違和感に気づいた。

ケント「あれ、なんで名前・・・」

そう言いかけたのも束の間、周りからクラスメイトが数人亜美の机に集まっていた」

「どこから来たん!?」「彼氏おる?」「どっか部活入るん?」

クラスメイトが来てからケントはいつも通り窓を見て先生にでも聞いたんだろうということにした。

先生「はいはい、もう授業始まるから席ついてよー」

そう言うとクラスメイト達は自分の席に帰っていった。

ふとケントが横を見るとふっと微笑む彼女がいた。


つづく


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