3回出来た【カクコン9】
羽鳥 雲
1回目 スタート
これは人間が住む世界よりも少し上の世界のお話
この頃、天使界隈では私たち神様が作った機械の作動確認という名目で天使たちは競争をして遊んでいた。
さて、そろそろ始まるころかな?...そう思いながら自分の作った機械のひとつを見ながらそこに乗り込むであろう天使と感覚をリンクした。
―――――――――――――――――――――――
「準備を確認しました。これより開始します」
司会者の声が間近で聞こえた。正常にリンクできたのだろう。
「よーい、スタート!!」
各競技者の安全確認と機械の最終確認が終わり、司会者がスタートを切った。
―――――――――――――――――――――――
瞬時に周りの景色が切り替わった。どうやらどこかの星に転移したようだ。
これは成功として人間たちに使えるな......と考えているとすぐに景色が変わっていく。どうやら天使...えーと、ライだったかな......?
おっと、...ライが急いで街にかけ出したようだ。
走って街へ向かうラの感覚をこの星の人間と同じものであることを確認した。......さて、すべて正常だったし私もこの星を楽しませてもらおうかそう思いテレビ感覚でライの視界を見ながら見守ることにした。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「よーい......スタート!!」
各競技者の安全確認と機械の最終確認が終わり、司会者がスタートを切った。
その声を聴くと同時に僕の視界が切り替わり、天使から人間の感覚へと変わった。
街の方向へ駆け出しながら周りの景色を確認した。
......これはNo.11かな。競争していく中で一部の世界は構造が同じ事に気づいた僕たちは攻略法を仲間たちと共有しあい、さらなるベストタイムを目指している。
攻略法について考えていると街の入り口である門が見えてきた。
僕は冒険者協会へ向かうとすぐに身分証明書を作り、受付が引き留めるのを無視して高難易度クエストを見つけると狩りへ急いだ。
―――――――――――――――――――――――
「......さて、ここかな?」
少し回り道だったけど攻略法のおかげで隠しアイテムなんかはすべて回収できたし、もう魔王城行っちゃおうかな...?
さっき引き受けたクエストの敵を目の前にしながら僕は考えていた。
......まぁ、倒すんだけど。
僕に向けられた攻撃をひょいっと横にかわす。何度か遊んだこの競技もランダムとはいえ攻略法もあるし敵の攻撃がワンパターンでつまらなくなってきたし最短で倒しに行くか!
僕は考えをまとめて改めて敵と対面して速攻で討伐した。
そして僕は冒険者協会には戻らず魔王城に直行した。
―――――――――――――――――――――――
「さぁて......」
僕は最速記録を立てるべく魔王城内部に突撃した......が、おかしい...敵が一切出てこない......
不信感を募らせながらも新記録へと期待を寄せ、足早に奥へと向かった。
道中も敵が一切出てこず、ついに魔王にたどり着いた。
「......来たか、勇者...よく...」
「死ね」
何かを言おうとした魔王に対して僕は時短のために早々に魔王に攻撃を開始した。
「よし!」
勝った!この攻撃で終わる、そう確信したとき......
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「ほぉ......」
敵を前に簡単に攻撃をかわしたライに驚きと興味を感じながら私は楽しんでいた。天使たちが熱心にこの競技に打ち込んでいたのは知っていたがまさかこれほどだったとは......
ライが敵を倒すと同時にこの後のライの考えが流れ込んできた。
「もう魔王城に行くのか、それぐらい簡単なら実践するときはもっと難しくしないとな...」
少し難易度調整を考えながらもライの行動に私は期待していた。
「魔王か......?」
ライが魔王?を見るなり飛び掛かり戦闘が開始された。ライが押していきやがて決着がつくと思ったが急に感覚、視界が宙を舞いライは壁にたたきつけられた。
壁にたたきつけられた反動でライは気を失い、魔王?は戦闘で乱れた身なりを整えながら誰かに聞かせるわけでもなく独り言のように呟いた。
「こいつ、俺の動きを予測したかのように動いていたが......あいにく、俺はこの世界の者じゃないからな」
そう言って自称魔王ではない別の何かがにやりと笑った。
ま、私の作った世界に無理やり入り込んだ部外者ならば遊ばせてもらおうか......
私はライの体の主導権を無理やり奪うと体を起こした。
「......?まだ死んでなかったのか?」
奴は私が立ち上がると同時に容赦なく攻撃してきたので後で片付けようとちょっと神様の権利を乱用をして閉鎖空間に閉じ込めた。
どうやら判定的にはそれが魔王を倒した判定になったらしく私は競技開始時の機械へと瞬時に強制帰還されたのでライに体を返してリンクを切った。
―――――――――――――――――――――――
「こういうのもなかなか楽しいものだな...」
私はそう思いながら閉鎖空間に閉じ込めたやつをどう調理してやろうか楽しみがひとつ増えたのであった。
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