鍛錬内容と数百年後

 僕はフィルくんの恨みを晴らすと誓った1週間後、早速心が折れそうになっていた。

(ここまで鍛錬が厳しいとは思ってなかった!)

 そんな鍛錬の内容はシトリン師匠からは


「貴方は元々の魔力量が多いからなのか、魔力を制限しきれてないわ。だから最初に貴方には、数百年間この大自然でサバイバルしてもらって、魔力制御マナセーブをマスターしてもらう必要があるの。」

「…え?数百年…ですか?いやいやいやなんでそんなにサバイバルする必要があるんですか!」

「言ったでしょう?魔力量が多すぎるのよ。多分私、貴方ぐらいの年齢のときは貴方の魔力量が10分の1ぐらいしかなかったもの。だから数百年も魔力制御マナセーブに専念してもらうのよ。分かったかしら?」

「…は、はい、分かりました。」

「あぁ、後、ある程度制御できるようになったら魔術書を送るから読んでおきなさい。できればマスターしてほしいのだけれど…それと隠れ属性も取っておきなさいね」

「え、ちょ、待ってくださいよ!無理がありますって!」

「それじゃあ、頑張ってね。数百年経ったら迎えに来るわ。」


 そしてカレンさんからは


「確か数百年間、大自然でサバイバルするんっすよね?じゃあシトリンに言われたことをやりながら筋トレと武術の心得を取得するっす!武術の心得は本とか寄越すっすから安心してくださいっす!」

「え…流石にそれはキツイというか…」

「自分追放したクソ親父見返すんっすよね〜楽したら見返せないっすよ?逆に殺られちゃうかもっすよ?」

「うっ…分かりました…頑張ります…」

「そうそうそれでいいっす!頑張ってくるっすよ〜!」


 と応援されながら見送ってくれた。まではいいが、その後が地獄だった。森の中は薄暗いし、魔力に侵食された動物『魔物』などが出てきて散々だった。今はちょうどいい大きさの洞窟があり、そこで休憩したかったが、それはできない。なぜならいつどんな時でも魔力制御マナセーブをしておかなければならないからだ。始めた頃よりかは格段に制御は上手くなっていた。

 それに加え、筋トレと武術の心得の本を読みながら身体も強くしていかないといけない。

(キッツいけど…これをやり遂げてフィルくんの父親を見返してみせる!)






 数百年が経った…今の僕は一言で言うと化け物になっていた。師匠から送られてきた魔術書は全てマスターし隠れ属性も使えるようになった、そして魔術を極めた者のみが使える魔術『独創世界』も使えるようになった。そしてカレンさんから課された筋トレと武術の心得を取得すること。これも既に極地に達し、筋肉はダイヤモンドより硬く。武術は達人相手を片手間であしらえる実力をつけていた


「ふぅ、師匠達何時になったら迎えに来てくれるんだろうか。充分鍛錬したと思うのだけれど…」

「安心しなさい、迎えに来たから。」

「っ?!師匠!カレンさん!びっくりしたじゃないですか!急に転移してこないでくださいよ!」

「びっくりしたのはこっちよ!貴方強くなりすぎよ!もう私やカレンと同じ領域に達してるわよ!」

「そうっすよ!おかしいっすよその成長スピード!あと新しい武器を造らないでほしいっす!」

「あはは…それはすいませんでした…」


 そう…カレンさんが言った通り僕は武器を造ってしまったのだ。しかも前世の武器を…


「なんすかあの柄が長い斧は?!しかもあれミスリルで出来てるっすよね!」


 それは知ってる人は知っている…『ハルバード』だ。

 造った理由としてはかっこよかったから…他にもう1つ理由があるそれは僕の魔力が馴染みやすかったからだ。

 カレンさんが言ったが素材にはミスリルという魔力が流しやすい鉱石を使っている。ミスリルを使っているからというのもあるが、他のミスリルで造った武器に比べると格段に魔力が流しやすかったのだ。造った方法は闇属性の下位魔術『侵食』で削っていた。


「あれはハルバードというものです。最初に斧を使った時、とても手に馴染んだんです。しかしリーチが足りないと思いまして…柄の部分を長くしてできたものがハルバードです。」

「ま、まさか新しい武器を造るなんて思ってもいなかったわよ…まぁ、それはいいわ。貴方…隠れ属性使えるようになったんでしょ?何属性なの?」

「あぁ…それはですね…」


 僕が数百年間過ごしてきた中で最も強い願望

 それは…


「『自由属性』です。」


 そう自由だ。僕はこの数百年間数えられない程の自由を願った。

 それは3年経った時(少しでも良いからここから出て自由になりたい)

 それは200年経った時(なんで僕はこんなことをしているんだ?自由になりたい!自由になりたい!)

 それは326年経った時(自由がほしい!自由が!)

 今みたいな感じで最終的には落ち着いたが500年以降は1年に何千回以上は自由を願っていた。

 その末、会得した属性が『自由属性』である。


「自由属性…聞いたこともないわね。どうゆう属性なのか教えてくれるかしら?」

「そうですね。簡単に言うと…『相手の権限を自由にできる』…ですかね。まぁ、5m以内の相手にしか効かないですけど…闇属性を合わせたら化けましたね。元からおかしいですけどさらに…ね?」

「ほえ〜あんま分かんねぇっす。ってことで模擬戦するっすよ!相手のことを理解するなら戦うことが一番っす!あ!もちろん『独創世界』は使っていいっすよ!私も使うっすからね!」

「なら私もやるわ。どんな属性なのか見てみたいし。」

「えぇ…わ、分かりました…」


 何故か模擬戦をすることになってしまったが、僕はやれることはやってみようと決意した。


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 こんばんは、どうもえちょまです。なんか今日楽しくて2話書きました。

 明日か今日の深夜には模擬戦を書きます。数百年鍛錬し、師匠達に「強くなりすぎ!」と言われた主人公の実力は如何に?!

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