68.服屋さん
「ここは……」
芽衣に手を引いて連れて来られた場所は、
「そう、服屋さんです!」
芽衣が意気揚々とそう宣言する。
「なんで服屋さんなの?」
私は芽衣にそう尋ねる。
最初どこ行くか聞いた時、結構悩んでたけど何で服屋さんなんだろ?
服買いたかったのかな?
「夏希さんがいろいろな服を着てるのを見てみたくて……」
そう少し恥ずかしそうに言う芽衣。
私が着るようのなの?芽衣のための服じゃなくて?
「私が服着るのを見ても暇なだけだと思うけど……。それより私的には芽衣がいろんな服を着たほうがいいと思うんだけどな~」
「私が着ても全然可愛くないですし、絶対夏希さんの方が似合いますよ!」
そんなことないんだけどなぁ。
それに芽衣が可愛く無い訳ないし。
ゲームのヒロインは全員美人、美少女しかいないため芽衣も例外なく美少女だ。
芽衣の場合はあまり周りと関わらずに勉強ばかりしていたから、可愛いと言われた経験が親ぐらいしかなく、その親から言われた言葉は身内贔屓が入ってるだろうと思っていたため、自分が可愛いとは全然思っていないようだ。
……芽衣が可愛くないんだったら大体の人が可愛くないことになっちゃうけど。
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