3.ゲームの舞台

桜が咲き始める季節。

ゲームの世界に転生したと気づいて数年後、今日はゲームの舞台になっている女子高校の入学式だ。


あれから主人公……綾目とはすっかり仲良くなっていた。ゲームの主人公ということを抜きにしてもずっと友達でいたいと思うぐらいだから主人公の人から好かれる能力は本当に凄いと思う。


綾目の方も結構私のことを信頼してくれてると思う。子供の頃からよくトラブルに巻き込まれたりしててそれを私が助けたりしてたからね!

お互いに信頼しあっている関係、これはもう親友と言っていいのでは?


「これから高校生活が始まると思うと緊張するね!」


私の隣を歩いている綾目が元気に私に話しかける。


「そうだね。確かに緊張するかも」


今日からゲームのストーリーが始まると思うと確かに緊張する。


綾目の幸せのために絶対にこの高校生活中にヒロインの誰かとくっつけないとなぁ。いい子じゃなかったら「お前に私の親友は渡さん!!!帰れ!!!」って私が言ってやるからな!

まぁ綾目が決めた子なら大丈夫だとは思うけど。

綾目ってどんな子が好きなんだろう?っていうか高校で彼女作る気あるのかな。


「ねぇ綾目って、高校で彼女作る気ある?」


「突然だね!?え~とまぁ作る気はあるよ?」


そう少し照れながら言う綾目。やっぱかわいいな~。綾目が彼女作ろうと思えばいつでも作れるでしょこれ。逆に綾目の事悪く思うやついる?もしいたら私がぶっ飛ばす。


「そういうなっちゃんはどうなの?」


「どうなのって何が?」


「彼女作るのって聞いてるの!で作る気あるの?ないの?」


そう聞いてくる綾目。ちなみになっちゃんとは綾目が私のことを呼ぶときに使うあだ名だ。もうこれだけで距離の近さを表せてるね!

で、彼女か~。あんまり作る気ないんだよね。


「今のところ作る予定はないかな~。どっちかっていうと綾目の彼女作りを手伝いたいし」


「…へ、へ~そうなんだ」


ちょっと残念そうな綾目。特に残念がる要素はなかった気がするけども。


まぁこれから高校生活がんばっていくぞ~。



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