第4話
同見は優等生であり俺達を除いた学校中の全ての人から愛されている。
「いつも通り起こしてくれないから前ノ宮さんに手間を取られせてしまったじゃないですか。」
俺の事情は相変わらず関係なしな。
クラス中は俺のことを嫉妬の目で見ている。
「俺はパシリでも下僕でもない。自分で頑張って起きろ」
「まぁ、それは私に学校に遅刻して来いってことですか?」
クラス中は聞こえる声で悪口を言っている。
「遅刻しようと、もう俺には関係ない。」
「本当に性格が悪くなりましたね。」
「別に悪いと思われてもいい。」
この二人と仲良く出来ればそれでいい。
「悪いより、生意気が正しいわね。」
「 同級生に対して言う口じゃねな。」
そして、クラスのいつもの話すメンバーに戻った。
「おっかねな。同見のやつ。」
「苦労したんだな。」
二人は俺に同情してくれる。これだけでさっきの会話のしんどさが緩和された。
ーーーーーーー
夜
俺は部活も入ってないので、友達二人と遊びに出て、食材を買って寮に戻る。
「ただいま」
「おかえり、真中!」
寮長がお迎えしてくれる。この時間も寮長のお陰で専用になっている。そして、寮長と楽しくご飯をしながら今日の報告をした。
扉が開いた。
「ただいまー」
「おかえり、先奈」
「ただいま、叔母さん。あっ、」
先奈は俺の一つ下で、寮長と親戚の関係である。その為他のメンバーより先奈だけは少し優しい。
「真中先輩、すいません失礼します。」
部活のジャージを着たまま帰宅している。先奈も俺のことをパシリと言ったり、俺の悪口を叩いたりしていたメンバーの一人だが、俺達の年代があれだと影響されるのは仕方ない、だから他の寮のメンバーの中だとまだマシな方だ。
「出来れば、真中と仲良くして欲しいんだけど。」
「・・・」
「あ、真中に許せって言ってる訳じゃないよ。ただ」
「ただなんです?」
「後悔はして欲しくないな。叔母さんだけど私の中ではお姉ちゃんだから」
寮長は俺のことを守ってくれる。ブザーを鳴らすと一直線に助けてくれる。だけどいつも呼んで来てもらう時に悲しそうな顔をする。本当はみんなと仲良くして欲しいんだよな。
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