第4話

町を歩く度に携帯を使っている人を見かける。


 その度に悲しくなる。


 でも今更携帯があった所で変わる訳では無いだろうな。


 俺はもう友達も出来ないし、小学校の子どもと違い自然と友達ができることもない。


 でもそれでもやっぱり携帯は欲しい。憧れだった。仮に一人も登録出来なくても欲しい。だが無理だろう。


 母親は俺のことを嫌っているし。

 妹の前でいい顔をしているだけ。



ーーーーーーーーーーーー

 過去編


 父親は虐待をする人だった。


 そんな母親は俺によく言っている。


 「私、頑張るからね。あんなお父さんでも耐えても頑張るから」


普通なら頑張る母親が偉いと感じるだろうか?俺は感じない。

だって俺も虐待されてるし。むしろ大人じゃない分俺の方が偉いと思う。さらに妹にしないで俺にして言い続ける、俺偉いと思う。


 俺はお母さんに離婚してと頼んだ。


 「父も家族だから」


父は働かずに、ただ家の金を使っている。

 家族かぁ、


 その言葉、あの虐待する男が俺の父親であることは変わらないと答える呪いだった。


 「お父さん、私が居ないとダメになっちゃうから」


俺と妹はダメになってもいいようだ。

 母親には何度も言った。いつも喧嘩ばかり見ているこっちの身になれと、だが毎日喧嘩をする。


 俺は心の底から離婚を望んだ。


 「俺より父を優先するの?」


 「お父さんだって、家族よ」


俺の1秒1秒が、辛いのに、父親は家で自由にしている。


 「俺はあんなの、家族じゃないと思ってるよ。家族でいて欲しくない。」


「なんで、そんな酷いこと言うの!ただでさえお父さんがあんなだから毎日大変なのに!」


「だったら離婚しろよ!!」


俺はこんな感じで怒るようになった。妹が居ないところで


  

「少しは、家族のことを考えてよ。」


「いや、俺も家族だろ。」



「自分の父親なんだから大切にしなさいよ。」


「なら、あんなとか言うなよ!!」



俺は母親と喧嘩ばかりをしていた。


 そして、俺は考え先生達に頼み録音機を貸してもらった。

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