歩数稼ぎ

ぴんくのーと

第1話 今日はついてない

「これ知ってるか?」


「なにー?」


クラスメイトに言われて見てみると、何かのアプリだった。


「週に1万歩達成すればお金が貰えるアプリだ、実際にはポイントをお金に変えれば貰えるって感じだけどな」


「そっかー」


「反応薄過ぎだろ、今キャンペーンやってて新規アプリを紹介後登録した方、された方に500ポイント貰えるんだよ、だからやってくれ」


「仕方ないから入れるよ」


「ありがとう、まじ感謝」


佐賀さが道輪みちわ、高校2年生。

成績普通、運動神経普通、顔普通と全部普通ランクの人間だ。

そんな俺はこの「ウォークウォレット」というアプリを入れからよく散歩をするようになった。

最近金欠だったし、運動不足だったから丁度いいと思っていた。

このアプリを入れて1ヶ月が経ったが、未だに続けている。


「行ってきます」


今日もいつも通りの時間に家を出て、学校へと向かっていった。

10分ほど自転車を漕ぐと、いつもの可愛らしい小学生とすれ違った。

別にロリコンという訳では無い。

可愛いものは誰だって見てしまうだろう。

そんな事を考えていた次の瞬間、トラックがその小学生目掛けて突っ込んできた。

一瞬だった。

その小学生の痛々しい泣き声が響いた。

あたりも騒然としていた。

救急車に連絡をする人、その小学生に駆け寄る人、カメラを向ける人など様々な人がいた。

俺はと言うと自転車のブレーキを引いて、ただその場に立ち尽くすことしかできなかった。

救急車がついたと同時に俺は小学生の無事を願い、自転車を進めた。

今日の俺はついてないとここで思うべきだった。

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