神様

佐藤 はる

第1話

(あなたは神様を信じますか?)

(神を憎みますか?)

 よく通った、聞き馴染みのある声だった

 凄く優しい声だった。

 ような気がする。

 でも何故か分かる、どこか聞いた事のある声だ

 寂しそうな声だった......


「兄さん!起きてー!」

「ん......」

「もう、知らないよ!」


 約3mくらい距離があるのに耳元で叫ばれたように耳がキーンとなった

(なんで2、3m距離あるのに耳が痛くなるほど大きな声が出せる)


 そんな馬鹿うるさい妹に鼓膜を破られる前に大人しく起きて、2段ベットのハシゴを降りようとした。途中寝ぼけてるのか落ちそうになったが馬鹿うるさい妹とが支えてくれた。


「朝ごはん出来てるから早く制服に着替えて顔洗って来て!」

「はいはい」


 制服に着替えて階段を降りて顔を洗った

「早くしないと遅刻しちゃうよ!」

「やべ、もうそんな時間か」

「いつまでたっても起きないからだよ!私もう先に行くから、戸締りちゃんとしてね!」

「へいへいー」

「行ってきますー!」


 行く時もありえないぐらいうるさかった、いい加減、近所迷惑だからやめて欲しいもんだ


「まずい、遅刻する!」

 俺も急いで準備して家を出た


 俺の名前は吉塚 麟(よしづか りん)17歳で妹の吉塚 柚凪(よしづか ゆずな)は一個下の16歳だ。

 俺たちに両親はいなく、妹と俺の2人暮しだ。

 2人とも同じ高校に通っていている。


 うちの学校の前にはありえないくらい急な坂があって暑すぎてぶっ倒れそうでもその坂を登らなきゃ行けない。校門から校舎への距離もあって生徒玄関に行くのもだいぶ面倒だ。


「よう麟!」

「なんだ、お前か」


生徒玄関でシューズに履き替えていると、幼なじみで親友である黒田 陽太(くろだ ようた)に話しかけられた。


「なんだとはなんだよ!」 「黒髪ロングの清楚系美人を期待してたのになー」

「残念だか、現実はそう甘くないぞ」

「うるせぇ!まだわかんねぇだろ!」

「まぁ、確かにうちの学校にも1人いるしな」

「お、噂をすれば」


噂をすれば学校一の美女と言われている榊原 綴(さかきばら つづり)先輩が腕いっぱいに本を抱えて友達らしき人と図書室に向かっていた。


「完全にお前のタイプにドストライクなのにお前が嫌いなの本当、不思議だよなー」


そう、何故か俺は彼女のことがあんまり気にならない、ていうか少し苦手だ


「うるせぇ」


雑談をしてながら教室に向かっているといつの間にか俺のクラスに着いた。


俺と陽太は別のクラスで陽太はクラスでは男女関係なく仲良く話せる陽キャだか、俺は全く友達がいなくいつも1人のつまらない学校生活を送っている。


ただつまらない授業を何となく受けて、飯食ってまたつまらない授業を受ける、学校が終わったら

陽太は野球部で練習があって一緒に帰れないので1人で帰る、その繰り返しだ。


あと1週間で夏休みになるという日のこと、


「麟、お前神社でバイトしね?」

「は?」

「頼む!お前が神社が嫌いかことは知っているんだが、好きな先輩が神社で巫女バイトするらしくて!」

「なんで俺がそんな事のために行かなきゃならないんだよ」

「俺、これのバイトをで告白しようと思うんだ!」

「はあ、わかったよ」

「ほんとか!?マジありがとう!」

「その代わりラーメントッピング全盛り奢れよ」

「任せとけ!」


神社は嫌だか親友とラーメンのためだ仕方がない

と俺はそう思っていた。


話が終わるとまたつまらない授業に戻った。


そして1週間たって夏休みになった。


俺は地元の中で一番大きな神社にきていた。


「まさか、ほんとに麟が来てくれるとはな」

「お前がこいて言ったんだろ」

「でも、あの神様大嫌いっ子が来てくれるなんて思わなかったんだよ」

「嫌いて程じゃねぇよ、ただ苦手なんだ、てか今更だか俺ら巫女バイトなんて出来ねぇだろ」

「俺らがするのは巫女じゃなくて、神社の周りの掃除とかだ」


俺たちは宮司に挨拶をして早速神社の周りの掃除やお守りなどの販売の手伝いなどをした。


「そういえば、お前好きな先輩にあって来なくていいのか?」

「いや、今バイト中だしお前にも悪いだろ」

「なんのために俺を誘っとんだよ、今休憩中だし早く行ってこい」

「悪いな、わかった行ってくるぜ!」


そう言って陽太は好きな先輩の所に向かった


休憩が終わってもあいつはなかなか帰ってなかった。

大事な所でためらうあいつのことだからなかなか話しかけれてないのだろう。


俺はとりあえずバイト中なのでほうきで掃除をしていたときのことだった。


誰かがお祈りをしていた。


真っ黒な長い髪で、後ろ姿でも分かる程の可愛さだった。


まあ、そんなことは気にせずに掃除をしていたら


「あなた、もしかして2年7組の吉塚 麟くん?」


いきなり話かれられたのびっくりした


「は、はいそうですけど」


情けない声で返事をして振り返ったが、驚いたことに学校一の美女、榊原 綴先輩だった。


「覚えてないの私のこと?」

「え?」


俺は全く覚えてなかった。

もしかして、おれ裏で変な噂立てられているのでわ?そんなことを思っていると


「私と小さい頃にあんなに遊んだのに?」

「へ?」


ますます理解が追いつかなかった。

俺と先輩が小さい頃に出会ってたなんて、


「聞きたいんだけどいい?」

「な、なんでしょう」


もしかしてあの会話聞かれたか?

そうやって1人で緊張してたが、


「あなたはまだ神様を信じますか?、それとも憎みますか?」


俺が先輩が嫌いな理由が少し分かったかもしれない。





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